サヤの変動

2009/1/22() 午前 7:59

 

○サヤの変動

  個々の銘柄の値動きには「うねり・リズム」があり、異銘柄サヤ取りで2銘柄を組合せることにより「うねり・リズム」は増幅*される。それがサヤの変動である。

 

 増幅された「うねり・リズム=サヤの変動」を片張りのうねり取りよりも安全に取ろうとするのがサヤ取りである。

 

サヤ取りの銘柄については業績が安定していて、大きなうねりを見せるものがよい。

 

 個人で行なうサヤ取りは技法を重視し、10枚から50枚を分割で仕掛けて安全第一に行なう。(ツナギ売買の実践p277)

 

サヤの極大極小のときに すぐにドテンできるものではなく、

 仕掛けも手仕舞いも分割するから、サヤの変動幅がまるまる利益になるものではない。(ツナギ売買の実践p276)

 

・株のサヤ取りはリズム取りで利益を得ることを基本とする。(株式サヤ取り講座p37p88)

 

 *株サヤ取りの実践者の感覚から言えば、収斂性がある銘柄を選択した場合、増幅されるのはリズムだけであって、うねりの幅はむしろ減衰する。

  だから、収斂性がある2銘柄を組合せることにより、半月程度のなだらかな周期・リズムが形成されるため利益が得やすくなり、逆に単独銘柄の大きなうねりや、鋭い騰落は消滅するため損をするリスクが減るのである。

 

☆銘柄の選択条件

  収斂性が期待できる

 同じような動きだがサヤの開閉がある

 業績が安定していて会社内容に変化がない 銘柄同士を選択する

 

○株のサヤ取りのプロ Yさんの話

  サヤ取り屋の売買は現物の長期保有とちがって目先的で、15日から30日のサヤの周期を狙う。

 

 往復の手数料は2銘柄分かかり手取りは少なくなるから売買数量は多い。サヤ取りのプロの売買数量は1万から5万株程度である。

ひとつの組み合わせの売買は2年から5年は続ける。

 

 片張りの「うねり取り」はムラがありすぎて、うまくいかない。

 「うねり取り」の相場師はムラのある片張りの「うねり取り」を逆張りと細かい分割で乗り切るが、普通の人が安定した利益をあげることは困難だ。

そこでサヤ取りに転向する人がでてくる。

 

サヤ取りというのは、大きな利益より安全性を求めてやるものだ。

だから手仕舞いのときは、片張りのように「もうちょっと」なとどと欲張らず手仕舞いできる。

そして、やっているうち要領を覚え、実行のコツをつかみ、だんだん上手になっていく。

 

サヤ取りのディーリングは二倍以上の利益になる。資金を二倍使っても資金効率はいい。(ツナギ売買の実践p274)

 

 *サヤ取り

 同種商品間、あるいは収斂性のある異種商品の異常な価格差が

長期でない期間内に正常な価格差に戻る必然性を利用した売買で、

リスクがゼロに近く、ホジションは必ずスクエアである売買をサヤ取りと呼ぶのである。(株式サヤ取り教室p13)

 

○株サヤ取りの利点

 

@リスクがない

 リスクがないというのは仕事として当然の条件である。サヤ取りのリスクはゼロに近く、銀行業務のようなものである。

 

A利益は少ないが確実

 投機的売買ではないから事業として成り立つ

 

B心理的負担が少ない

淡々と利益を得ていく売買

 

C過大な周辺知識と努力を必要としない

 サヤ取りにおいて必要なのは技術的要素のみである。

 

D理論的である

冷静に人気の逆を行って「実利」を取る理論的で知的な仕事である。(株式サヤ取り教室p20)

 

☆上げ相場、下げ相場のいずれであってもサヤの変動があるので収益機会がある。

そのため、休む(時期を待つ)必要がない。

 

 *事業=一定の目的で同種の行為を継続的に繰り返して行う経済活動

 *仕事=それによって生計をたててゆくための職

 

☆株の異銘柄サヤ取りと他の投資法との比較

 対ローリング

 利益は少ないが日銭が入るので、日々千人力を得て暮らしていける。

  リスク・精神的負担が少ないから建玉を大きくすることができる。

  そのため、ローリングと同等の利益をあげることも不可能ではない。

  ローリングは大きく引かされても強い決意をもって先限を売り続けるが、同様の覚悟でサヤの増減に無限難平で向って乗換を続けていけば、いつかはサヤが反転する時が来るのでリスクはない。

 

 対商品相場サヤ取り

 限月がないので、永久に持続することが可能

  限月の選択が不要であり、限月による当り外れがない

 当限で玉締めに遭って、想定外の損失を招く恐れがない

 

対FAI (片張り)

  ホジションはスクエアであるから下げ相場でも資金を減らすことがない 

  FAIは下げ相場で資金を守ることができない。

  相場で生計を立てるのに最重要なことは資金を守ることである。

 

 

 

  相場戦略研究所 http://www.geocities.co.jp/WallStreet/1289/

 

 

機会費用

2009/1/19() 午前 6:34

 

  「かんぽの宿」売却を妨害している鳩山邦夫は経済学の初歩的な概念である「機会費用」もわからない『ただの馬鹿』だったんですね。今朝の産経新聞で竹中平蔵さんが鳩山邦夫の愚かさを丁寧に説明しています。

 

  この「機会費用」という考え方は投資家にとっても大事で肝に銘じておきたいものです。

 『 不況期に資産を売却する価格は、確かに好況期に比べて低くなる。

しかし、売却した資金を新たな事業資産に投資できる。

その際、そうした投資資産の購入価格も不況期には安くなっている。

 従ってこれは相対価格の問題であり重要な経営判断なのである。』

 

☆かんぽの宿は“不良債権” (竹中平蔵 ポリシー・ウオッチ2009.1.19産経新聞)

 

 ■無視される機会費用

 

  鳩山邦夫総務相の「かんぽ」(簡保)に関する発言が注目を集めている。郵政民営化に当たって、いわゆる「かんぽの宿」は期限を決めて廃止または売却されることが決まっている。その売却先としてオリックスの名があがっていることをとらえて、反対の意向を表明したのである。その真意をめぐって衆議院の予算委員会でも民主党から質問が出されたが、総務相は改めて反対の意向を明らかにした。しかしこの発言は、民営化に当たっての基本精神に反するものであり、かつ政策決定のプロセスそのものに大きな弊害をもたらすものだ。かんぽの宿は、郵政にとっていわば「不良債権」であり、この処理が遅れればそれだけ国民負担が増大することになる。

 

  かんぽの宿は、今でも年間約50億円の赤字を計上している。民営化に当たって、これを廃止・売却するのは当然のことである。まず、完全民営化されたかんぽ生命保険には、他の民間企業と同様、保険業法が適用される。当たり前の話だが、民間の保険会社がホテル業を営むことはあり得ないことだ。ホテル業のリスクが、金融の本業に影響を及ぼすことがあってはならない(いわゆるリスク遮断)からである。だからこそ法律は、10年以内の完全民営化を目指すかんぽ生命には、5年以内(2012年9月まで)の廃止または売却を義務付けた。

 

  国会答弁を聞く限り、総務相が今回の70カ所一括売却に反対する理由は次の2点である。第1に、資産価格が落ち込んでいる今の時期に、急いで売却するのは適切ではない。第2に、オリックスの宮内義彦会長は規制改革会議の議長を務めており、郵政民営化による資産処分にかかわるのは「できレース」的である。

 

  第1の点から見ていこう。こうした発言は、少し前に株式売却に関して首相からも発言されたことがある。しかしこの議論は、経済学の初歩的な概念である「機会費用」というものを無視した、誤った認識と言わねばならない。今のような不況期に資産を売却する価格は、確かに好況期に比べて低くなる。しかし民営化された郵政は、売却した資金を新たな事業資産に投資することになる。その際、そうした投資資産の購入価格も不況期には安くなっている。従ってこれは相対価格の問題であり重要な経営判断なのである。いつが適切かは、市場や経営を知らない政治家や官僚に判断できる問題ではない。経営者が判断するべき問題である。そもそも民営化とは、民間の判断に任せることであり、経営判断の問題に政治が口出しすること、しかも機会費用の概念を理解しない政治家が介入することは、根本的に誤っている。

 

  ■民間人排除の論理

 

  第2の点についても、根本的な錯誤がある。まず、郵政民営化のプロセスに規制改革会議が関係したことはない。基本方針を決めたのは経済財政諮問会議であり、制度設計は内閣官房の準備室が行った。その際にいくつかの委員会も作られたが、宮内氏がそのメンバーになったことはなかった。同氏が郵政民営化にかかわったというのは、ほとんど言いがかりのようなものである。

 

  より重要なのは、民間人が政策過程にかかわったからその資産売却などにかかわれない、という論理そのものに重大な問題があることだ。今や政策決定における民間人の役割は極めて大きなものになっている。経済財政諮問会議や各省の審議会・委員会にも民間人が関与する。しかし、いったん政策が決められたとして、それに関係する経済活動がその後できないとなると、民間人はだれも政府の委員会メンバーになどならなくなる。郵政民営化の枠組みを決めた諮問会議の民間議員は、郵政の株が売却される際、それを購入してはいけないのか…。これは、政策決定における民間人排除の論理に等しい。

 

  気がつけば、こうした政策論議に参加する民間人の活躍が、以前ほど目立たなくなっている。宮内氏が活躍した時期には、経済財政諮問会議でも奥田碩氏や牛尾治朗氏が活躍していた。しかし、こうした民間議員が、以前ほど活躍できない雰囲気が広がっており、特定省庁によって書かれたペーパーが民間議員の名で提出されるケースも目立っている。鳩山総務相発言は、政策にかかわる民間人の自由な発言をますます抑制し、結果的に族議員と官僚を奮い立たせるものである。

 

  筆者が失望したのは、この問題を国会で質問した野党が、大臣発言をむしろ擁護する立場にあったということである。そもそも、特定の利害に偏った族議員と官僚のゆがんだ政策をただすために、民間の有識者を政策決定の中に入れている。にもかかわらず、誤った事実認識と経済常識の欠如によって、結果的に民間人を政策過程から排除するようなことを与野党一体となっておこなっている。これが日本の政治の実態である。

 

  売却に当たって、総務相の認可が必要になっているが、これは入札手続きが公正に行われているか、民営化の趣旨全体に則しているか、国民負担を大きくしないか、といった点をチェックするためのものだ。報道によれば、入札によってこうした手続きは正当に行われている。かんぽの宿という不良債権の処理が遅れれば、資産はますます劣化し、国民負担を一層大きくする。早期に一括売却をすることこそが、資産価値を最大化する道である。その意味で、担当する総務相発言は国民負担を増やすというとんでもない方向を目指しており、野党もこれに賛同しているのである。

 

  かんぽの宿をめぐる今回の発言は、郵政の価値を棄損し、政策決定を族議員と官僚に有利にする効果しかもたない。民営化の当初の法律の定めに沿って、早期に一括売却を進めることこそが内閣の使命である。(竹中平蔵 ポリシー・ウオッチ2009.1.19産経新聞)

 

 

練習売買

2009/1/17() 午前 3:36

 

  林輝太郎先生の本を始めて見たのは1991年の7月25日だった。

バブル崩壊後の下げをカラ売りで取ろうとしたが、逆に大きな損になり、

 買いでやられ、売りでもやられ、精神的に追い詰められていたときだった。

 

 「どうしたらカラ売りがうまくできるだろうか」「カラ売りの良い解説書はないだろうか」などと考え、都内の本屋で探していた。が、当時の株世界で“売り”はご法度。そんな本があるわけはなかった。

 

  勤めていた会社の用事で田町に来た帰りに、時間があったので駅のそばの本屋に立ち寄り、自然と株のコーナーに行った。

すると、そこに学術書のような分厚くりっぱなケースに入った林輝太郎先生の名著「商品相場の技術」があったのだ。商品相場の本なら「カラ売りのやり方があるだろう」と考え、中を読むと当然“売り”についての記述がある。手に取って時間を忘れて立ち読みした。

 

  カラ売りの虎の巻ではなかったが、『相場の練習』という初めてみる表現が心をとらえた。「鞘線」とか見たことも聞いたこともない資料もたくさん載っている。

 買おうと思ったが7200円と高く、持ち合わせがなかったため、後ろ髪を引かれる思いで書店を後にした。

 

  『相場の練習』という、思ってもみなかった新鮮な方法論で頭の中が一杯になった。

 「そうか、カラ売りがうまくいかなかったのは練習しなかったからだ。練習すれば儲かるようになる」

ただ、このときは机上の売買いわゆる「つもり商内」のことだと間違って理解していた。

 

  「相場の練習をして儲けられるようになろう」と決意した私は翌日、7000円を握り締めて再び田町の本屋に行った。(当時、大損して借金があり、利払いに追われていたため、7000円の買物も大決心だった) 

 

  すると「商品相場の技術」のそばに林輝太郎著「株式上達セミナー」がある。中を見るとこれまた、凄そうな内容。しかし「つもり商内はしてはいけない」とあるではないか。安易に机上で相場の練習をすれば儲けられるという思い込みが崩壊し大ショック。

が、「この本は買わないといけない」と思ったのだ。

 

  こちらは1850円。2冊は買えない。

”狐付きのような目をした銭の亡者”は本屋で約一時間まよった。

 結局、株における練習の仕方に多くのページを割いている「株式上達セミナー」を選択したのだ。(「商品相場の技術」は二年後の93年12月28日、林輝太郎先生から直接 売っていただいた)

 

 林輝太郎先生の「株式上達セミナー」を買った1991年7月26日が私の再出発の日となり、それから自分なりの練習売買を開始して、以来 数年間、悪戦苦闘をすることになるのであった。

 

 

 

再出発

2009/1/8() 午後 4:57

 

全部新しく再出発  そして慎重にやれば成功する

 (90年代後半の林輝太郎先生の講演録からの抜粋)

 

○再出発

  林は最初からプロ相場師に金で買えない貴重なことをたくさん教わった。

しかし、それが本当に身に付いたのは、相場で損して破産してからだ。

  「もうこんな思いはしたくない。相場をやり直そう」、そうした”やり直し”がいま振り返ると5回くらいあった。

  その経験から、”やり直し”は今まで勉強したことは全部忘れて一からやり直さなければいけない。勉強したことに対して、懐かしさがある。だから、ある部分はそれを残そうとする。また、ある部分は付け加えようとする。これがいけない。やり直しとは学習の順序を新しくすることだからだ。

 

  全部新しく、再出発。

 全てを新しくして、基本からやれば、いままでの経験が生きて、2,3ヶ月で以前の儲け・技術の水準を越す。これは決して大げさではない。何年もの間いろんな人で実験している。

 

○相場の勉強

  みなさんがこれからゴルフのプロになるのは不可能だ。ところが相場の場合は、年齢や性別や地位に全く関係なく、順序を踏めば誰だって上手になれる。

 相場の勉強、これも世の中のあらゆる勉強と同じ順序、つまり基礎から応用という過程を経て上手になっていく。単純なことからやっていく。土台をしっかりする。土台、基礎があやふやじゃ儲かりっこない。

 

  本を読むと基礎はとても易しく感じる。本を読んで、わかったと思いがちだが、頭の中で理解しただけで、実際はできるようになっていない。それなのに本を読んだだけで基礎ができると思い込み、基礎練習を抜かしてしまう。

 

  今まで体験したことのない事態に直面すると、人間というのはおかしくなる。相場における「値動き」というのは、年中、未体験の領域へ進んでいく。そうした未体験の領域の恐怖、想定外の「値動き」に耐え、対応できる基礎練習をしておかなくてはならない。

  基礎とは相場の波に乗る練習売買を繰り返すことによって、変動感覚を身につけることである。

 

  それを「これから値動きがどうなるか不安だ。未体験の領域に進むのだから、いろんな資料を取りそろえて万全を期そう」とする。これは逆効果になって迷うばかりで絶対にダメ。

 道具を場帖、グラフに限定して、単純な基礎練習をやるべきだ。

 

  ○専門は強いもの

 専門というのは強いものだ。

ところが、「今度は小豆が動いたから小豆、今度はゴムが動いているからゴムをやろう」と、あれこれやる。相場で専門を作らないのは、すごく不利なことだ。

  皆さん実生活で仕事をしていて、専門を持つことがどれほど強いかはわかっている。それなのに相場の場合は専門を持たない。

 

  相場における専門とは、『銘柄の専門』と『やり方の専門』を持つことだ。

それでないと、絶対に成功しない。

たとえば「小豆をサヤすべり取りでやる」というように。

  自分の専門については狭く、狭く絞る。サヤ取りならサヤ取りだけ水準を高めればいい。狭ければ狭いほどいい。早く慣れるし、早く上手になる。

 

  そして、専門の銘柄、専門のやり方で価格変動の波に乗る。

いろいろな値動きを見ても、専門の銘柄を、専門のやり方でやるのであれば、出来るか出来ないか、取れるか取れないか、波に乗れるか乗れないか、判断できるようになる。

 

そして周辺知識は広く浅くでいい。自分の専門は狭くてもいいから水準を高める。

 

  相場の場合、ある段階以下はみんな損。ある段階以上の人だけが儲かる。

 相場というのは選択肢が多く、いろいろな やり方がある。片張りの「売り」「買い」。サヤ取り、ツナギ等、いろな流儀があり、やり方も何千種類もある。初心者の場合、初心者でも利益を出しやすいやり方を選択すればいいのに、初心者ほど難しいやり方をやりたがる。これでは失敗するに決まっている。

 

  誰もが「一番儲かるやり方をやりたい」という。それは人情としてわかるが

利益率なんてみんな同じだ。利益率は上手下手によって上下するものなのだ。

 

  危険性が高ければ利益も多そうだが比例しないし、危険性が低くて利益は多いやり方も相場の中にはたくさんある。 たとえばサヤ取りがそうだ。

ある おばさんがサヤ取りをやって5年で1億円になった。誰でも 5年間ひとつのことをやれば上手くなる。

 

  しかし、サヤ取りは、サヤが動かないと出来ない。

そういうときに、なにか他のことをやりたくなる。それがいけない。何ヶ月でも休んでいればいい。サヤすべり取りもそう。サヤすべり取りっていうのは、ひと区切りの利益はものすごく大きい。ところがチャンスが来るまで、待っていられない。そして他のことに手を出して損をしてしまう残念なケースが多い。

 

○波乗り

3ヶ月の波乗りの一番楽に取れる、一部分だけとって、後は知らん顔をしていればいい。それを1年に2回か3回、1回でもいいから取る。その方が楽に儲かる。

 総資金に対して、年間3割取ったら、手仕舞って、後、年末まで遊んでいればいい。

 

 1000万円で3割取っていけば、9年で1億円になる。そして1億円から10億円になるのには9年かからない。とにかく石にかじりついても、1億円を達成しなければダメだ。

  この社会は面白いことに金のあるヤツはなお儲かる。貧乏なヤツはなお損するように出来ている。だから、絶対に冒険をしてはいけない。コツコツとやる。

 

○グラフ

道具というのは、業務用の道具を使わなければいけない。グラフは見るものだから、きれいに、見やすい大きなグラフを描きなさい。

 

グラフを見ると、このときにどういう材料で下がったか、どういうニュースで上がったか、そんなことはもう忘れている。

 

  ただ、上げ下げの周期、うねり、値動きのクセ、そういう特徴が一目瞭然だ。

 一目瞭然というのは自分で今度やるときに 「そろそろ底じゃないか。そろそろ天井じゃないか」 という感じがよく解る。もちろん年がら年中当たるわけじゃあない。

 

  また、ここで上がるだろうけど自分の出番ではない。そういうところもわかる。

 上がるであろうけども自分の出番では無いんならやっぱりパスした方がいい。

 

  壁に貼っていつも眺めたほうがいいが、普通の家庭では大きなグラフを貼る場所がないから巻いておく。そして床に広げて見ればいい。

 

○心理の慣性を絶つ

 人間の心理には慣性というのがある。

 慣性というのは物理学の用語で、「動いている物体は外から力を加えない限り永久に動き続ける」というもの。球を動かしても止まるのは摩擦があるからで、摩擦がなければ永久に動き続ける。

 

  心理の慣性とは、たとえば下げ相場だといつまでも下がるような錯覚をおこす。自分の気持ちの切り替えができないからだ。

 切り替えをする唯一の道は、玉をゼロにすることだ。区切りをつけ、休む。

そうして心理の慣性を絶つ。

 

  商品相場の場合、季節、年度、暦年、だいたい3ヶ月またはその倍数の周期がある。

ところが心理の慣性で 3ヶ月上がると、もっともっと上がると思う。

 玉を一旦手仕舞まって冷静になる、つまり心理の慣性を絶つと、それにより、気持ちを新しくできる。

 

  相場が上げから下げ、下げから上げに転換する時も、気持ちの切り替えが難しい。

これは皆さん失敗したときのことを振り返ればわかる。

だから、休み、区切りをつける。心理の慣性を年中絶つ。一区切りつけた後、奥さんでも連れてうまい料理食いにいってお祝いをして、心理的にも区切りをつければよろしい。

 

  一般の人が我々相場で生活している、あるいは成功した人たちに持っている偏見が2つある。

 一つは「年中やってんだろう」、一つは「そんな何億円も残したんだから、たくさんやるだろう」 全然逆なんだ。年中休んでる。

 

 6ヶ月休んで3ヶ月の上げ相場の半分だけ確実にとる。後は知らん顔している。

また半年休む。また3ヶ月のうち確実な1ヶ月だけをとる。それが一番上手なやり方。

 

○中断

  相場のやり方は、ゼロの状態から売りなり買いなりを仕掛ける。まず一枚やってみる。もし1000万円の証拠金があったって試し玉は1枚でいいんだ。

そして玉の増減があって、手仕舞いとなって終了する。仕掛け、玉の操作、手仕舞い を一連のものとしてやる。誰がやっても例外がない。

 

  ところが下手な人は、買った株が下げたら塩漬け。

 引かされら持ち続けて、「当限になるまでには上がるだろう」なんて言っているうちに当限は最安値納会する。こういうことは現実によくある。

 損になったのを持ち続けるから、もうものすごい損になる。これは手仕舞いまで行かないで中断するからだ。絶対、中断してはいけない。

 

○ 7つの錯覚

@理屈、理論偏重。

A競争社会における原則を無視する。

  原則と言うより、数学で言う公理と同じ。それを無視する。

 情報なんていうのは、自分に不利に決まっているじゃないか。理屈じゃ分かる。

しかし何かに頼りたいんで、やっぱり情報に振り回される。

  競争社会においては、中立な情報は存在しない。買い方に不利なら、売り方に有利。もちろん逆もある。そうすると、情報は一方に有利で一方に不利だから、情報を入手したらこれはどっちに有利なのか、考える必要がある。

  もう一つの情報の原則、情報は発信者に有利。これは誰でも解る。従って受信者に不利。みなさんがもしインターネットで情報を発信する。自分に不利な情報は絶対に発信しない。ということは受信者に不利なんだ。

 

  企業だって取材に来た新聞記者にお車代を渡して、よりよく書いてもらおうとする。そういう記事は価値があるのか?

 価値があるどころではない。嘘ばかりに決まっている。

 

  株の場合、天井を付けたのが89年12月。

だから89年、90年の2年分くらいの日本経済新聞をゆっくりと読んでご覧なさい。

 「なるほどこれを読んでいたら損するな」とわかる。

  商品の場合だったら、日本経済新聞か業界紙の1年前からの綴じ込みをゆっくり読んでご覧なさい。「なるほどこれを読んでいたら損するな」とわかる。

そういう新聞を読んじゃいけない。 

 

  もし情報が正しいとしても、先の月面着陸の飛行士と同じで現実に負ける。またそういうものを読むと、いわゆる市場の人気に汚染されて自分自身を見失なって損をしていく。

 

B確率と可能性を間違える。

Cいろんな指標、あるいは指数は、いかにも値動きと関係ありそうだが、まったく関係が無い。これは一種の迷信。

D学習の順序。これは本当に一般の投資家は間違えている。学習の順序を新しくするのをやり直しと言う。

Eゲーム理論は理論であり間違いないんだが、それを無視する。

F「やり方 (技術)」を無視する。

  上がると思えば買えばいい。下がると思えば売ればいい。そりゃあそうだが、その売り方、買い方、の「やり方」。見込みが当たっても技術が下手なら損する。相場において最重要な技術を無視する。これは非常に残念なことだ。

 

 

  相場戦略研究所 http://www.geocities.co.jp/WallStreet/1289/

 

 

大きくなるために

2009/1/7() 午後 4:57

 

  売買技法の基礎固めと資産蓄積途上の注意点

   (90年代後半の林輝太郎先生の講演録からの抜粋)

 

○最初のステップは1億円

  10億円、少なくとも5億円なりの財産を築きたいならば、とにかく

『資金に余裕を持つこと』 『基礎固めをすること』 『専門を持つこと』だ。

 

☆『資金に余裕を持つこと』

  (精神的に負担にならないように玉を建てる)

 財産を築く最初のステップは1億円だ。最初のステップに乗るために私自身の経験を話す。

  林は昭和23年から相場を張っているが、1000万円近くまでは儲かる。(今から30年以上前の1000万円は、今の1億円くらいに相当する)

しかし、その後損してしまう。また、1000万円近くまで儲かるが、また損してしまう。

 「どこが悪いんだ?」と思った。もちろん人一倍勉強し、本も読み、努力もした。商品会社の社長も十数年やった。

 

☆「ここは絶対だ!」

  相場をやっていると、一年に1度や2度は「ここは絶対だ」と思う時がある。

 「ここは絶対だから、資金を有効に活用して儲けよう」と思う。つまり、沢山の玉を建てたいのだが、その気持ちを押さえる。

その苦しさを乗り越えなきゃならない。

そうすれば金は残るんだ。「ここは絶対!」というのは妄想で、完全な思い違いだからだ。

  私が「ここは絶対だ!」と思った時に、晴披留作さんに

「お前さんは自分じゃ絶対だと思っているけれども、第三者から冷たく見たら絶対じゃないんだよ」「自分一人で絶対だって張り切っているだけで、第三者から見たら確率は二分の一なんだよ」「そういう時には建玉を控え目にしなさい」と言われたことがある。

  「そんなことはない。需給はこうこう、相場はこうこう、ここは絶対に取れるんだ」と反論したくなるが、

そのときは「自分のどこが悪いんだ。どうして1千万円を越えないんだろう」と思っていた時だったから、そういう偉い相場師に言われて「なるほど!」と納得した。

 

  それからは建玉を控え目にするようになった。それも馬鹿馬鹿しい程お金を余らせた。資金を余らせる癖をつけた。

  それで、ようやく預けていた金が1000万円を超えた。まあ、それからは順調に来た。だから、建玉を控えめに抑えることを「あまりにも消極的ではないか」と考えるのは間違いなのだ。

 

☆心理的に負けない

 小豆の相場で生活し、そして5億円の資産をつくったTさんは、商品会社に3000万円預けている。ところが、玉を建てても最高30枚までしか建てない。今、小豆の証拠金は1枚あたり6万円だが、約10万円と計算しても30枚分で300万円。

つまり、預け金の9割が遊んでいる。余っている。そうなると「もったいない」「もっと玉を建てりゃいいのに」と思うかもしれないが、

そうじゃない。

  それだけ余裕を持っているから、心理的に負けることなく儲けられるのだ。

  利益金が増えて、預け金が3500万円になったら500万円引き出して、それを生活費として、余った金は貯金する。その貯金が20年間で5億円になったのだ。

 

  自分の経験をいうと、小豆で一番最高に建てた時で320枚くらい。

その時ちょうど相場が上がっていて、儲かっていた。道行く人が馬鹿に見えた。

ところが、東京駅から帰りの電車に乗った時、ふと表を見たら何か景色が違う。新しい建築工事が始まったんだろうと思ったが、実は反対方向の電車に乗っていた。それに気がついたのは10分後だった。

 大きすぎる建玉をすると儲かっている時でさえ、精神的に正常な状態でいられなかったのだ。

 

  私が、今、証券会社に預けてある金は全部で2億円程ある。たくさんカラ売りしているが、カラ売りしている銘柄を丸代金で計算しても6000万円くらいだ。つまり、預けてあるお金の2割くらいしか使っていない。利息がつかないお金だが遊ばせておく。

 

  資金管理とは、このように精神的に負担にならないように玉を建てることなのだ。

 

☆相場のコツ=確実な利益を積み重ねる決心

  最初から確実な利益を積み重ねていく決心をすることが相場成功のコツだ。

 「相場というのはバクチではない」「経済行為であるから、そんなにボロ儲けができるわけがない。これからもコツコツとやっていこう」というような相場のコツを会得した人は、1000万円が年間3割増えていったとして、9年で1億円になる。

  そして、1億円から10億円になるのには、不思議なことに9年かからない。

もちろん、もったいない位、金を余らせて、利益率は資金全体に対して計算しての話だ。

 

この世界はとても皮肉にできていて、金のある人ほど儲かる。金が無くてガツガツ儲けようという人ほど損してしまう。

 

  『相場の上手・下手は何で決まるのか』それは、売買技法と変動感覚による。

 「おままごと」と言われる、資金も小さく、売買も小さく、人間までも小さくなってしまっている一般の投資家は、死ぬまで儲からない。

しかし実際には、そういう風に小さく固まってしまう人が大部分なのだ。そうならないためには基礎固めをすることだ。

 

☆『基礎固めをすること』 

  基礎とは練習売買によって身につく変動感覚のことである。

 相場において、『無知無能な者は敗残者となる』

  無知というのは、知識が無いことで、知識を得るには本を読めばいい。

  無能というのは、最初はだれでも無能だから、練習して能力を身につければよい。

 

だれでも相場においては、まず作戦を立てる。基礎練習もせず玉を満足に建てられないのに作戦だけは立てる。これは、本末転倒だ。

 「基礎が確りしていないと、いろいろな技法を取り入れても、または、どんなに作戦を立てたってダメだ」 作戦というものは基礎を身につけてから立てるものである。

 

  売買をするということは単純だけれども簡単ではない。

 玉の建て始め、玉の増やし方・減らし方、限月毎の玉の配分、そして最終的に玉をゼロにする という過程が何段階もあるのだから、作戦を立てるのは簡単なことを繰り返し繰返しやって基礎を身につけてからすれば良い。これは当然のことなのに、皆さんそれをやらない。

 

  その基礎を身につけるためにはどうするか?

ゴルフで言えば「確実に球を打つ」といった、基本的で一番単純なやり方である価格変動の波に乗る”乗り方”を身に付けることだ。

 

  1枚買って、次にもう1枚買う。それで2枚。それを2枚一括して手仕舞いする。

  あるいは、1枚売る、そしてもう1枚売る。それを2枚一括して手仕舞いする。

その両方のやり方を辛抱強く続けなさい。そういう基礎の基礎の練習売買を馬鹿にしないでやる。そうすれば後々伸びる。

 我々の目的は、価格変動の波に乗る事だから、それ以外の事はやる必要はない。

そして、その時に最低でも300万円から500万円を預けなさい。

 

  更に、上手になろうと思ってはいけない。上手になったことは解らないからだ。

ある日、「俺は上手になってた」と気づく。結果的にそうなる。

 上手になろう、上手になろうと思っているうちは、ちっとも上手にならない。辛抱強く同じことを続けるしかない。

 

  「失敗したかな」という感覚も、身につくまでには、ある程度の経験が必要だ。

 単純な売買を何度も何度も繰り返しているうちに、いわゆる変動感覚というのが身につき「失敗したかな」ということが解るようになる。辛抱強く同じことを繰返さなければ解るようににならない。

 

  それから、相場師には自分の 『専門の持ち技』というものがあるが、それは基礎を繰返しているうちに自然に身についてくる。また、『専門の持ち技』を身につけることが基礎固めにつながる。

 

そして、相場には「ここぞ!」という時は無いのだから、淡々と相場の上げ下げを見ながら価格変動の波に乗る。

 

つまり、相場に上達するには 『秘訣』 とか 『秘密』なんていうものは無く、地味な『基礎固め』しかないのだ。

 

  上手な人の真似をしようとしても、基礎が出来ていないと、真似だけやってもダメだ。

  私は生まれて初めて株をやった直後から、プロの人にお金に代えられない貴重なことを色々教わったが、それが身に付いたのは20年後だった。

 

  また、自分の専門の銘柄を持つことが大切。例えば、小豆を専門にする。

 

 儲かって成功したと思ったら売買に区切りをつける。

 売買を最低で1ヶ月休む。心理的にも区切りをつけることが大事。これを繰り返す。

 

○『資金管理、建玉管理、危機管理』 三つの管理

 

☆資金管理は、前に言った精神的に負担にならないように『資金に余裕を持って』玉を建てること。

 

☆建玉管理とは、どういうふうに玉を動かしていったら良いか管理するということ。

  例えば、朝起きたら新聞で場帖をつけて、グラフを描いてみて、それで、今日は玉を動かすべきかどうかを5分考えれば良い。

 

  売買伝票が来た場合はそれを玉帖につけるが、それ以外の時は仕事が無い。グラフを描いたり、資料を整理したり、それから趣味でいろいろな事をする人はいいが、そうでない人は暇でしょうがない。 相場というのは意外に時間が少なくて済む。

 

  いまはホームトレードが在るが、月曜日に新規売買をしないようにする。

 何故かというと、土曜日・日曜日の間に大きく引かされた玉を持って「ああでもない、こうでもない」と考える。或いは、その相場の動向が心配で「どうしよう。買うべきか、売るべきか」と考える。

とにかく考えて、考えて、考え抜いて最悪な手を打つ(売買をする)のが月曜日だからだ。

だから、月曜日には新規の売買をしない方がいい。

それだけでも随分救われる。絶対ということは無いのだから、常に反対意見を考えていく。

 相場なんて、考えたらキリがない。考えたってどうにもなるもんじゃないんだから、それなら考えない方が良い。

 

☆危機管理

  危機管理には『火の用心』 と『初期の消火』 の二種類がある。

 『火の用心』 あらかじめ危機に陥らないように管理を万全する。

 『初期の消火』 玉を切ることで ボヤのうちに消し止めるということ。

 玉を建てて失敗したかなと思った時点で仕切る。

 

  引かされた玉を持っていたら、精神的に正常な状態でいられない。だから、とにかくそういう悪い玉を持ってはいけない。精神的には、普通の状態ではなくなるのだから、焦れば焦るほど結果は悪くなる。

 

○周期

  値動きを よく見ると3ヶ月毎の上げ下げ、そういう波がある。

 極端に言うと、描いたグラフを見て、ヒラメキでもいいから

 上がりそうだったら買えばいい。

  下がりそうだったら売ればいい。

 但し、3ヶ月周期、3ヶ月区切り、春・夏・秋・冬でも、大寒とか立春とかそういう区切りでもいいから3ヶ月単位で見ていくのが前提。

 

  それからもう一つは年度というのがある。日本は4月が年度変わりで、アメリカは10月。

 金の相場などは、アメリカのFRBの金融政策で変わるから、4月か10月で底になったり、天井になったりしている。グラフを描いてみるとよく分かる。

 

  株の場合は、12月と1月、または5月か6月、それが天井になったり、底になったりしている。

バブルの大天井は12月28日。それから一昨年の年間高値は、5月の連休直後で、去年もそうだった。

 

 

 

  相場戦略研究所 http://www.geocities.co.jp/WallStreet/1289/

 

 

プロの売買法

2009/1/1() 午後 1:25

 

 『ひとつの銘柄を続けて売買していけば、その銘柄に慣れて慣れて慣れきっていく。だからこそ効率よく利益をあげ続けていけるのである。

 

  商品相場なら小豆相場専門というように、自分の専門をもって、そればかり何年も追って生活費を稼ぐのがプロの売買法である。

 江戸時代の米相場、明治からの戦前までの新東や戦後の特定銘柄*がそうしたプロの売買、生活費を稼ぐ銘柄として定着してきた。

 

  「慣れて慣れて慣れきって」というのは、売買が上手になっていくことである。

つまり、値動きのうねりに乗ってリズムを感じ、分割売買で平均値を有利にし、利益を確保して区切りをつける、売買技法の上達を意味している。

ファンダメンタルズは無視しないが こだわらず、テクニカルズでも理論より値動きの現実面を重視する。』(研究部会報2005.5 p77)

 

 『3手、5手の重なりが1ヶ月の動きとなり、その1ヶ月の動きの重なりが3ヶ月、6ヶ月となります。

はじめは1ヶ月か3ヶ月でひと区切りがいいかもしれません。

とにかく玉を動かしていけば、次第に上手になります。』(脱アマ相場師列伝新版p250)

 

☆小豆相場の成功者Tさんの資金管理

  商品会社に預けてある資金は3000万円。

 売買は最高で30枚。資金の10分の1に過ぎない。

  利益金が増えて、預け金が3500万円になったら

500万円引き出して、それを生活費として、余った金は貯金する。

その貯金が20年間で7億円になったのである。(研究部会報99.9 p77)

 

  専門の銘柄を持ち、一年以下の上げ波動、下げ波動を取ることを「銘柄固定継続売買」、または「うねり取り」という。林輝太郎先生が多くの本で取上げて推奨している。

  「銘柄固定継続売買」は売買益で生活費を稼ぐプロ的な売買で、利益を得やすい やり方といわれる。

  銘柄選別の試行錯誤(失敗)から開放され、銘柄を固定した継続的売買の反復により、相場の波に乗る技術の向上に専念できる。

 

 *専門=ある一つのことだけに専念すること。一つのことだけに関心を向けること。

 

○注意事項

 1.専門銘柄の売買に慣れ自分の建玉法が決まってくると利益の出し方も決まってくる。

そうなった後は、自分の掴んだ建玉法を辛抱強く続ける。

  さらに上手になろうとか、他の流儀を取り入れて利益率を上げようとしない。 そういうことをすると、苦労して身につけた自分の型、水準、能力を破壊*する。(うねり取り入門p283)

 

 2.「専門銘柄以外の銘柄はない」と考え、他の銘柄を見ない

 

3.「欲を抑える」心構えが必要

  利食いした後や利が乗った後、大胆になって玉数を多くしてはいけない。そうしたときに、相場はえてして逆行する。

  相場に先入観を持ちすぎると心理的に負ける。3ヶ月区切り、銘柄のくせも絶対ではなく、一定の目安と思っていた方がよい。

 

 4.休み

 年の半分以上休まないと儲からないらしい。(現物を持ったコストダウンであれば、上げ相場では買う必要がないので休める)

 

 *もし、壊してしまったら

 全部新しく、再出発。全てを新しくして、基本から「やり直す」。そうすれば、いままでの経験が生きて、2,3ヶ月で以前の儲け・技術の水準を取り戻すことができる。

 

☆酒田罫線法による相場の転換の判断

  酒田罫線法の逆行新値の数え方では、いままで下げ相場で、下げ途上の戻りは「陽線逆行新値」が三本ぐらいであったものが、五本ついたら「中段の揉みに入った」または「底入れし、逆行新値五本を順行新値と数え直す」という。

  つまり、陽線新値五本をつけたら上げ相場に転換したと判断する、というものだ。ハッチの10%法では、10%高までの上げ幅が、酒田新値では陽線五本までの上げ幅が第一波動ということになる。<中略>

  さらに、天井から下げに移った、底から上げに移った、という判断でも、10%を計算するわけではないが、逆行新値五本が10%ぐらいになるし、それらを神経質に計算しても計算しなくても、判断の当り外れはそう変わらないこともわかっている。(株式成功の基礎P256)

 

☆確実な1ヶ月だけを取る

片張りにおいて一般投資家は利食いが早すぎると「しまった」と言うがプロはそんなことはいわない。

 3ヶ月の上げ相場のうち確実に取れる1ヶ月だけを取る。その前後1ヶ月は見ているのである。

 前1ヶ月は本当に上げるかどうか確認している

確実に取れる1ヶ月だけを取る

取った後1ヶ月は休んでいる

 というのが失敗の少ない利口なやり方で長続きするし、長続きすれば利益が積み重なって大きくなれるものである。(研究部会報99/1)

 

☆プロのツナギ売り

 プロは、「年末年始効果」「5月連休前後効果」という期節周期を利用して、ツナギ売りに取り組み大きな利益を上げる。

  「年末年始効果」を利用して12月、1月から買い、

 「5月連休前後効果」を利用して連休前後にツナギを行い、

その後の下げ相場を取ると、このたった一回の上げ下げの往復だけで1年か2年の生活費が稼げる。(売りのテクニックp190)

  プロは単純なやり方をする。そのほうがミスが少なく長い期間では効率が良いからだ。(ツナギ売買の実践p247)

 

○相場の現実

 理想的な成功をしても資金量を考えると

500円幅のうち125円取るのが限度。

うねり取りにおいては全株数の平均で、うねり幅の4分の1取れたら大成功であり、これが相場の現実なのである。(ツナギ売買の実践p102)

 

○資金量

 職業として株の売買をし売買益で生活費を稼ぐには、資金2000万円で年率30%なら600万円で生活できそうだが、資金と気持ちに余裕がないから無理である。個人のプロの資金量は意外に少ないが5000万円〜1億円くらいである。(うねり取り入門p282)

 

○売買の出発点

 底、天が大体わかった時点で順張りで出動する。

または、日柄を見て試し玉を入れる。

 

 底をつけるのを待って買う

天井をつけるのを待って売る

待ちも相場のうち

 

 ただし、天底は相当あとでなければわからない。

 現在進行形の相場においては「底の想定」であり「天井の想定」であって、「これからつける底を予想」し、「つけた底を確認」してゆくものである。

 

○プロセス

価格変動の波(2〜3ヶ月)に乗り、分割売買で建玉数を増加させ、手仕舞って終了

 

○必要なもの

 相場技法 と 策戦(読みと変動感覚)

 *相場技法とは「分割売買」と「時期選択(時期を待つ)」こと。

 *変動感覚は相場の波に乗る練習売買によって身につける。

 

 *策戦の例

  保合の中での分割買いは陰線引けの翌日

  大回り三年、小回り3ヶ月

 11月買い、翌年2月売り(勝率89%)

 12月買い、翌年3月売り(勝率84%)

 (日本の株価は5月連休前後の高値、12月、1月の安値が統計的に多い。

  勝者へのルールp59)

 五分一割に従いて三割高に向う

銘柄のくせを利用する

 

☆うねり取りは難しい

 林輝太郎先生の「うねり取り入門」のはしがきに

 うねり取りは、利益を得やすい、やさしいやりかたのひとつなのです。

とあるが、なかなかどうして、この単純な うねり取りが難しいのだ。

 

うねり取りで利益を上げる第一関門として基礎練習があるが、

だいたい、その基礎練習で基礎を身につけるのが難しいのである。

 

 林輝太郎先生の本によく出てくる基礎練習の例えとして

 ピアノでいえば何万時間の練習、ゴルフで言えば何万発の玉を打つように、

 相場の場合も−1、−1の2分割買いの基礎練習を繰り返すしかないのだというだが、ちょっと待て。

 

 銘柄固定のうねり取りで−1、−1の2分割買いを年間何回できるというのだ。

せいぜい六回がいいとこだろう。

それでは、基礎練習を徹底的に繰り返し、基礎ができるまでに相場人生が終ってしまうではないか。

 当てものをやって一生儲けることはできない投資家と結果的に同じになってしまう。

 

うねり取りをやろうとする人の多くは、それまでに当て物で損をして

「はやく損を取り返したい」という強い焦燥感を持っているから、折線グラフを使った、うねり取りで−1−1、2−の一括手仕舞いの基礎練習を長年月をかけてゆっくり練習するという悠長なことはやっていられない。

 気持ちにゆとりがないからだ。

 

そのため、多くの人が株式成功実践論のAさんのように我慢しきれなくなって暴発・逆噴射し、仕手株、材料株に手を出して破滅してしまう。

 

だから、銘柄固定売買においてはうねり取りではなく、立花さんが小豆でやったように酒田新値をたよりにリズムだけを追うリズム取りで利益を出しながら練習すべきである。少額でも利益が出れは、勇気が出て練習を続けられるものである。

 立花さんは「一番、簡単」と書いているし(脱アマ相場師列伝新版p62)、林輝太郎先生も「逆張り、分割、リズム取り」はごく簡単と書いている。(株式上達セミナー新版p236)

 

 酒田新値によるリズム取りなら玉は動くし、結構忙しく緊張感もある。

リズムだけを追って、リズム取りの利益を積み重ねていく。うねりはリズム取りの利益の集合体として結果的に取ればよい。

 小さな山のリズム取りができて、3ヶ月の大きな山のうねりが取れるようになるのである。

 

 当然のことながら、リズム取りは折線グラフよりも酒田足の陰陽新値による方がはるかにやりやすい。

 立花さんは「分割買いの基礎をつくるには『安値引け』『高値引け』がわかったほうがやりやすいので、日足を使う」と言っている。(脱アマ相場師列伝新版p64)

 酒田新値の出現率を頼りにするリズム取りは折線グラフではできないし、中源線を知らない普通の人は折線グラフで流れなんかわからないのだ。

 

もう一つ、うねり取りで、よくある失敗のパターンは3ヶ月に満たないで、上げ波動が終了してしまい、利食いしそこなうことである。

 

 2ヶ月半程度で一山つけてしまうケースはよくある。

 天井がわかるのは相当日柄を食ってから、値幅的には10%逆行をみせた後だから、小さな山だと利益がはげてしまって手仕舞いの決断ができず、ついつい居過してしまう。

 

 大概の人は、こうした失敗が2、3回続くと、「うねり取りは難しい」と断念してしまうケースが多いようだ。

 

こうしたケースを避けるには35日くらいを基準にして、毎週枚数を決めるなどして、

 60日がくる前に、ある程度の枚数を、高値を狙って売っておく以外にない。

 

 林輝太郎先生 曰く、「うねり取りにおいてはうねり幅の4分の1取れたら大成功であり、

これが相場の現実なのである。」 

 

 *特定銘柄 指定銘柄

 (平成元年当時) (平成3年当時)

 8803平和不動産 8803平和不動産

 3402東レ 1801大成建設

 3407旭化成 

 5101日石

 5802住友電工

 6701日本電気 6301小松製作所

 6752松下電産 6752松下電産

 7011三菱重工

 7203トヨタ 7267本田技研

 8031三井物産 8031三井物産

 8766東京海上 8766東京海上

 9101日本郵船 9101日本郵船

 

 

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罫線の実践的活用法

2008/12/25() 午後 4:07

 

 罫線の実践的活用法 (林輝太郎先生の罫線論)

 

◎罫線の実践的活用法

  罫線を描くのは、値動きの習性と 周期を見るためである。

 

○グラフ

 日足は大きいグラフ用紙に陰陽足でも折線グラフでもよいから、

 長年月*が一望できるようにし、いつも見なれていくべきであろう。

*(せめて2年分。全紙のグラフ用紙なら、タテ1メートル、ヨコ70センチだから2枚分ぐらい。)(ツナギ売買の実践p237)

 

  グラフは見るものだから、大きなB1の用紙にきれいに、見やすく描く。

 壁に貼っていつも眺めたほうがいいが、普通の家庭では大きなグラフを貼る場所がないから巻いておく。

 

  グラフを見ると、上げ下げの周期、うねり、値動きのクセ、そういう特徴が一目瞭然で、自分で今度やるときに 「そろそろ底じゃないか。そろそろ天井じゃないか」という感じがよく解る。もちろん、いつも当たるわけではない。 また、「ここで上がるだろうが自分の出番ではない」そういうところもわかる。(そして、このときにどういう材料で下がったか、どういうニュースで上がったかは、もう忘れていてる)

 

 グラフの欠点は底で買って天井で売ろうとする自己暗示にかかることである。グラフはどういう「やり方」で、この波を泳ぐべきかを基に眺めるべきで、グラフを見て 天底で売買しよう としてはならない。

 

  ○罫線の見方

 「天井になって底が確認され、底を打って天井が確認される」

といわれるのは投資家の迷いを的確に表現している。

  上げ相場は底を打ってから上がるが、前の安値が底だったと確認できるのは天井になってからで、それまでは「いま底を打って上げている」ことについては半信半疑で、いつ下がるか心配ばかりしており、天井になったとき、ようやく上げ相場だったとわかる。(下げ相場でも同じ)

  現在進行形の相場においては「底の想定」であり「天井の想定」であって、罫線によって「これからつける底を予想」し、「つけた底を確認」してゆくのである。

 

  値動きというものは、

   底→上げ→中段の保合い→上げ→中段の保合い→天井

   天井→下げ→中段の保合い→下げ→中段の保合い→下げ→底

であり、例外はない。

 

  上げ相場では  底、中段の揉みから上げに移る  なるべく早い時期

  下げ相場では  天井、中段の揉みから下げに移る  なるべく早い時期

にそれを罫線から判断したいが、それは不可能。

 

だから、

 (1)値動きの種類を

底  天井  揉み 3つだけに単純化し、

 

 (2)天底の形は 天井は尖っている 底はゆるやか  と考え、

 

 (3)期間 を考慮に入れて判断するのである。

 

 

 (2)天井は尖っている 底はゆるやか については、

  天井では値動きが荒く期間も短い のに対して、

  底では動きが小さく期間も長い ということで、これを「底練り」といっている。(その底練りの期間は 3ヵ月またはその整数倍である。)

 

 (3)期間については

『底の翌日は天井ではない 天井の翌日は底ではない』といわれるように、

 底から天井、天井から底までは、必ずある期間を要する。

その期間がおぼろげながらでも推定できれば

 ケイ線の見方に安定感を与えることができる。

 

 相場用語で日柄といわれているのが、期間のことで、

 日柄を食った、というのは「そろそろ上げの期間の終了」を指している。

 

  その「期間」は、「3月またがり60日」で ピッタリ60日ではないし、3ヵ月目の当日のことでもなく、約60日 約3ヵ月であり、3ヵ月の整数倍になることもあるのだが、

 実践的には、

  底をついて上がり、3ヵ月目くらいになったら注意して、一服して保合いになるか、天井で下落するか、一服後に再上昇するか見極める のだ。

 

  ケイ線を描く上での基本的事項と実践的な結論

 (下げ相場のときは下記の「上げ」を「下げ」に、「天井」を「底」に言い替える)

 

・グラフは大きな用紙に見やすく描く

 ・経過月数がわかるように月替わりにタテ線を薄く描いておく

 ・上げの場合は3ヵ月ごとに注意して上げ止まるかどうかを見る

 ・上げ止まったときにそれが保合い(揉み)になるか天井になるかに注意

 

 実践的結論としては  線が「混み合った」ときに注意 。

 

 

◎罫線の概論

  相場の分析はテクニカルズとファンダメンタルズに分けることができる。

そのテクニカルズとは、

   価格の動き   内部要因の変化 の情報分析のことをいう。

 

  狭義のテクニカルズは、価格の動きは図形化して、罫線にあらわし、

そのケイ線を分析することによって将来の方向を予測するものと言える。

 

  テクニシャン(テクニカル主義者)が、労を惜しまずグラフを描くのは、

 値動きの習性、周期を見るためである。

 

  ・値動きは人間の心理の反映であるから、科学的分析に耐え得るものである。

  ・現在までの値動きを図形化したグラフは、正確な記録である。

 

 将来上がるだろう、下がるだろうという予測の当る確率は2分の1になるはずであるが、投資家の予測は欲のため、2分の1をはるかに下回り、ほとんどゼロに近い。当たるのはまぐれにすぎない。

 過去の値動きを土台にして将来を予測するケイ線分析によって、確率を2分の1にまで引き上げることができる。

 

  ○テクニカル分析の3原則

  ・市場の動きはすべてを織り込んでいる

 ・価格の動きはトレンドを形成する

 ・歴史は繰り返す

 

 ・市場の動きはすべてを織り込む

 いかなる理由にせよ、価格の上昇は供給を上回る需要と強気のファンダメンタルを示す。 つまるところ、テクニシャンは間接的にファンダメンタルを研究しているのである。

  また値動きは市場の強気または弱気の心理を反映しているのである。トレンドの初期段階や重要な転換点においては、何ゆえ市場がある方向に動くのかわからない

(が、グラフは確実にそれを示している)。

 

・価格の動きはトレンドを形成する

 運動中のトレンドは反転するより継続する可能性のほうが高い

(だから、値動きは反転するまではいままでの動きを続ける)。

 

・歴史は繰り返す

 テクニカル分析や市場の動きの研究は、相当部分人間心理の研究と通じている。

  価格変動はチャート上に現れる一定の絵が表すパターンがそうである。

  それは人間心理に基づくものであるし、人間の心理は変わらないからである。将来は過去の繰り返しにすぎないということである。

 (背景になる経済情勢は時代によって大きく変わるが、人間の心理は変わらないのだから値の推移は変わらない)

 

  電話のなかった江戸時代の米相場でも、信用取引がなかった頃のウォール街の株の動きも、コンピュータのなかった明治から戦前の動きも、背景の経済事情はまったく異なるのに、値の動きは今とまったく同じなのである。

これが、我々がテクニカル分析を重視する、罫線の勉強をする理由なのである。(うねり取り入門新版p154)

 

○グラフの必要条件

  基礎的なグラフの定義

  グラフというものは、互いに関連する2つ(2つ以上のこともあるが)の量の関係を表す図形であるから、相場においては、

    タテの目盛は値段

    ヨコの目盛は時間 なのである。

  1次元のグラフは上記の条件を満たしていないので欠陥グラフである。なぜなら、

    相場とは日柄なり

 といわれる日柄を無視しては、どだい分析も予測もできないし、売買を行うことは不可能だからだ。

 

○三手五手の上げ下げが重なって「うねり」を作り、「うねり」が連続して大きな波動を形成する。その各々にはある一定の日柄がある。底の翌日は天井ではない。(財産作りの株式投資p235)

 

○保合の中での分割買いは陰線引けの翌日

 

○売買と結びつく実用性

 罫線を描くことで、ごく自然に、ここで買ってここで売ればよいとか、自分ならここで買うとか、次第に売買と結びつけるようになってくる。

  それも「自分なら」というように、自分にできるところ、という自分を主体にするようになってくる。これは、ケイ線を見ないで予測をしたのとは全く性質の違うものなのだ。

 

ケイ線分析は重要

  過去の値動きを土台にして将来を予測するのがケイ線分析である。相場の世界は、激烈な100万円、1,000万円すぐ損してしまう恐ろしい金取り競争の社会だからこそ、基礎とテクニカル分析が大切なのだ。

 

  売買上達の基礎固めは、 場帖 と 日足グラフ のみを用いる

 

慣れ

多くのグラフを描くと次第に慣れてくる。

 「次はこうなるだろうな」という“感じ”がおぼろげながらわかってくる。

この“感じ”が大切で、それによって玉を建て、成否を賭けることになるのである。

 異常の発見が大切 

 多くのグラフを描くと「慣れからくる異和感」から不自然さを感じるようになる。(財産づくりの株式投資p146

 

グラフを描いてみてわかることは、

  ・天井は値動きが荒い (形が とんがっている)

  ・底の値動きはゆるやか (形が なだらか)

  ・値動きには3ヵ月またはその整数倍(6ヵ月、9ヵ月、1年)の周期が見られる。

 

☆グラフの欠点

グラフでは上げ下げの傾向よりも、天井や底が目立つので、底で買って、天井で売りたいと思う。本当は自分なりに取れるところを取ればいいのだが、次第に、自己暗示にかかり、「底で買い、天井で売る」という自己の能力を無視した理想を追いかけようになる。

 (株式上達セミナー新版p199)

 

○成功者の共通点

 成功者のすべてに共通するものは、

 「グラフを大きなグラフ用紙に手書きで描いている」

ということである。

 (株式成功実践論新版p282)

 

☆値動きに慣れるには、ごく普通のグラフをたくさん描くことで、それが成功の第一歩、基礎になるのである。

ひまさえあればグラフを描いていればよい。描いているうちに「感じ」がわかってくるし、「変動感覚が次第に生まれてくる」のである。

 (株式成功実践論新版p231)

 

 

 

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蓄財の技術

2008/12/24() 午前 5:44

 

 蓄 財(1) (  林輝太郎の売買上達セミナー 145・連載  )

 

○利益の蓄積

  株をやるのは儲けるためである。中には趣味として、頭の体操として損益を度外視してやる人がいるが、それは例外中の例外であろう。

 

  たとえば、37年前『商品取引で儲けろ』(廣済堂出版刊)という本に書いたが、歯科技工士の人が奥さん公認で、毎年100万円まで損していい、と趣味としてやっている人がいたし、元国鉄(JR)総裁で、たしか石田禮助という人が、老後はぼけないために損してもいいから株の売買をすると言ったが、趣味や頭の体操は、熱くなって破産するところまでいかないのだからそれはそれでいい。

 

  だがやはり利益を得るためにやるのである。

 

  それにも、プロとして生活費を稼ぐため、財産をつくるためがあるが、生活費を稼ぐといっても、生活費プラス多少とも利益の蓄積が欲しいはずで(生活費キリキリでは不安)結局は財産を増やすために売買することにかわりはない。

 

  「儲け方」という本はたくさんあるが、「財産のつくり方」と具体的に財産の蓄積のし方を書いたものはないようである。

  この連載でも、売買で利益を得ることについてはくどいくらい書いてきた。

 

  最近の拙著『財産づくりの株式投資』(同友館刊)でも、財産づくりのステップに乗れたところまでで、読者から「ステップに乗ったあとはどうすればよいか」との問い合わせがきた。

 

  また、先日「少しずつ利益が積み重なるようになったのですが、そのあとドカンと損してしまうのです。それを避けるのは、やはり売買技術とは別に、蓄財の技術というようなものが必要だと思うのですが」という方が会社に来て、「そう言われればそうだな」と思ったことがあった。

 

○大切な “休み”

 しかし、今までにも、

 「儲かったときに  区切りをつけなければいけない

とか、利益が積み重なって、たとえば1,000万円が3,000万円になったとき、

3ヵ月か6ヵ月くらい休んで、

   これからは3,000万円の運用をするんだ

 という新しい気持ちになることが必要、ということは書いてきたが、それとは別に前述の蓄財の技術のようなことは書かなかった。

 

  それは精神論的なことが加わるかもしれないが、具体的に書かなければ意味がないのだからむずかしい。しかし、それは儲けてからのことだ、というのは誤りである。

 蓄財の技術と言った人がいい例である。

 

  はじめから証券会社にだまされたりセールスマン頼りで損する人は別にして、内部から投資家をみているとよくわかる……というよりおよそ決まったパターンがある。

 

  損したり儲かったりしていた人が、あるときから急に利益が続いて資金が2倍くらいになる。ところがそのあと資金いっぱい高値で買ったり、大きく損が続いたりして元の本阿弥どころかアシを出してしまう。

 

  本人の心のゆるみなのか、ツキが消えたのか、あるいは欲を出しすぎたのか、一挙にいままでの利益も元金も無くしてしまうのだ。

 

  財産を築く第一歩は、まずこのケースを避けることである。理屈としては、

   見込みが違ったら損の少ないうちに切る

 のがいいのだが、言うは易く行うは難しだから、仕掛けなければよいのだ。

  だから、このケースを避けるには、

   『 儲かったあとは休む

のがいちばんよいことになる。 もちろん

  『 損したときも休む

  儲かったあとは気がゆるんでいるし、損したときは落ち込んでいるし、

 儲かったときは俺はツイているからもうひと儲け、となるし、

  損したときは早く取り返そうとあせるから はじめから心理的に負けているのだ。

 

○はじめは大決心

  では、どれくらい儲かったら休むのか、資金が2倍になったらか、3回続けて利益になったらか、これもむずかしい。2回続けて儲かったら3回目は外れるのか、1回儲かったら次は損をするのかわからないから、儲かっても損しても1回ごとに休みを入れたほうが安全である。

 

  そんな気が小さくては大きくなれないという人がいるが、儲かる人は23%という狭き門なのだし、相場を始めたからには何がなんでも勝たなければならないのだから安全安全に行ったほうがよいのである。

 

  だいいち、1年間のグラフを見てみて、どこが取れるか考えてみるとよい。いくらうぬぼれの強い人でも取れるところは23箇所ということがわかるだろう。

 

  鏑木繁著『相場難儀道』(投資日報社刊)という本には、

 「相場の恐ろしいことはいつも儲かる気がすることである」と書かれている。

  また、“休む” ことがなかなかむずかしいことも多くの本に書かれている。休んでいると儲けを逃すように思われるからだ。

  しかし、嫌々でも1度か2度やってみるとあとできるようになる。

それははじめは大決心が必要だが、1度か2度の経験でできるようになる。( 林輝太郎の売買上達セミナー 145より  )

 

 蓄財(2) ( 林 輝太郎の売買上達セミナー  146・連載

 

○ 休みを入れる習慣

  『うねり取り入門』(同友館刊)に次のように書いた。

 

  「2年半くらいさかのぼって何銘柄かのグラフを描いてみることは、めんどくさいですが、描いているうちに面白くなって、思わず20銘柄くらいすぐ描いてしまいますよ。(中略)ふーん、こんな動きをしていたのか、知らなかった、と興味がわいてきます」

 

  また、休みについては、

 

  「うねり取り成功のコツは休みを入れる(売買に区切りをつける)こと。(中略)それが次の利益をもたらす。

 

  もちろん、たまには上げを取り、ツナギを行い、次第にドテンして下げを取るという往復を取れることもある。が、そういう場合は数ヵ月から1年も玉の増減をはかりながら売買を続けるのだから緊張し続けであり、精神的消耗が激しい。

 

  休養が必要である。心理の慣性を絶つ、といってもよい。そうでないと精神的健康をとりもどせないのである。

 

  資金の小さいうちに休みを入れる習慣をつけておかないと、資金が増加し、売買数量も多くなったときに対処できなくなってしまうのである。

 

  元にもどって、2年半くらいさかのぼって描くグラフは、もちろん日足(陰陽足か大引値の折れ線グラフ)である。そのグラフを見ていると、天井や底の動き、往来の動きがよくわかり、もちろんあとから見るのだから当然だが、取れるところ・取れないところもよくわかり、その後その銘柄の売買をするときに大いに参考になるものなのである。

 

○ グラフは実践的に

 グラフについては議論・説明をはじめるとキリがないし、売買と結びつけると複雑になるが、いくつかの説明を加えよう。

 

  グラフをたくさん見ていると、思いもよらなかった「自分の好きな動き、嫌いな動き」が出て驚くことがある。これはとても重要である。好きな動きの銘柄なら利益をあげられるし、努力を続けることができる。

 

  また、以前に何回も利益をあげた銘柄をみて、こんな動きだったのか、嫌な動きだな、深入りしないでよかった、となることもある。

 

  また、全く業種のちがう銘柄でも同じ動きをしているものもあるし、その逆のものもあるので驚くことがある。ファンダメンタルズの違う銘柄なのに、同じような動きをみせるものもある。もちろん動きにもいろいろある。

 

   上げ下げの周期がほとんど一致する

 

以外に、

 

   天井や底のジグザグのし方、集合形

 

   上げ下げの途中の往来のし方

 

が似ていたり、似ていなかったり、また、

 

   底や天井をつける時期がいつもずれる

 

 という異銘柄も見つかる(系列会社が多い)。

 

  そして最終的に、

 

   こんな動きのときに売買するのはつまらない

  (精神的負担が大きいのに利益にならない)

 

   このときなら(自分には)利益をあげられる

 

 ということがわかってくる。

  しかし、つもり商内ではない。売ったつもり買ったつもりのつもり商内は、いかに「ひとつのシミュレーション」と言いわけしても、机上の空論になってしまうのである。

 

○ テクニカル分析の3原則

  『あなたも株のプロになれる』(同友館刊)の著者立花さんは、パイオニアの35ヵ月分のグラフを六畳の部屋いっぱいに広げ、3ヵ月も見ていた。

 

  そして、その間にあらためて場帖から別のグラフ用紙に1日ごとにグラフに描き足しながら「ここで買い、ここで売り」と記録をとったが、やはりつもり商内はだめだった(自分の向上には役立たなかった)と書いている。

 

  また、白い大きな紙をグラフ用紙の上に乗せ、1日ずつずらしながら、そろそろ動きそうか、天井に近くなってきたか、などと考える、その程度で十分だという人もいる。

 

  以上、グラフについて書いてきたことは、いわゆる「テクニカル分析の3原則」といわれるもので「テクニカル分析の哲学」ともいわれている。日本の本にはほとんど書かれていないが、アメリカの本には必ず書かれている。

 

  @ 市場の動きはすべてを織り込む

 

 A 価格の動きはトレンドを形成する

 

 B 歴史は繰り返す

 

 「市場の動き」とは「価格の動き」と同じとみてもよいが、人気、指数などの指標を含んでいる。

 

  「歴史は繰り返す」とは、背景となる経済状勢は時代によって異なっていても、人間の心理は変わらないのだから、グラフ上にあらわれるパターンは同じように現れるから、過去を研究することは将来を理解するのに役立つ、という意味である。

 

  また、市場の動きはすべてを織り込むということは、あらゆる情報やニュース(ファンダメンタルズに影響される動き)がまだ表面に出ないうちに次第に値動きに織り込まれていくのだから、テクニカル分析はファンダメンタル分析も含んでいるともいえる。

 ( 林 輝太郎の売買上達セミナー 146より )

 

☆小豆相場の成功者Tさんの資金管理

  商品会社に預けてある資金は3000万円。

 売買は最高で30枚。資金の10分の1に過ぎない。

  利益金が増えて、預け金が3500万円になったら

500万円引き出して、それを生活費として、余った金は貯金する。

その貯金が20年間で7億円になったのである。(研究部会報99.9 p77)

 

  相場戦略研究所 http://www.geocities.co.jp/WallStreet/1289/

 

 

 

成功するための要点

2008/12/23() 午前 2:36

 

 飛躍への休み

 

蓄財(3)    (林 輝太郎の売買上達セミナー 147・連載

 

.増え方は階段的

  われわれが相場をやるのは、とにかく十数年か数十年、それも20年か30年のうちに10億円、せめて5億円という個人で「資産」といえるくらいの利益を積み重ねたいからである。

 

  その積み重なり方は、次第に右肩上がりの一直線ではなくて階段みたいな増加のし方なのである。

 「株を長期に保有し、大きな売却益を得るやり方ならば段階みたいな増え方になるだろうが、うねり取りのようなやり方では、少しずつ増えていくのだから途中で損失になったときは凹むが、大筋ではゆるやかな右肩上がりが続いていくのではないでしょうか」

 

  そのとおりである。しかし、現実の相場の実践ではそう感じないのである。

たとえば500万円で始めたとする。次第に利益が積み重なって、600万円、800万円となっても、「500万円の資金を動かしている」という気持ちが続いている。

 「続いている」でも「残っている」でも、とにかく頭の中は500万円の運用なのである。

 

  まして、資金に余裕を持ち500万円の資金でも実働資金は300万円くらいという控え目(それが利益を生む源泉なのだが)の運用をしているのだから、どうしても「500万円の資金を動かしている」という意識が抜けないのである。

  そして、この「呪縛」(精神的、心理的な縛りつけ)みたいな意識から抜け出して飛躍するには、やはり「区切り」をつけること、「休み」を入れることなのである。

  

○休みこそ飛躍のステップ

 筆者が19884月から5月にかけて、持ち株のすべてを売り、89626日からカラ売りをはじめるまで11ヵ月の間休んだのは、天井を模索していたのだから、いまここで説明する休みとは種類(目的)の違う休みなのだが、90年からの暴落にひっかからず逆に大儲けしたのは、やはり区切りをつけ休みを入れて冷静になれたからなのだ。ただ、意識の変革という面では同じであろう。

 

  飛躍のための休みは、残像の払拭であり、ワンステップの上昇であり、自身の向上であり、成功への階段を昇ることで自分自身にとっては貴重なものなのである。新しい出発点に立つための休みは、経験のない人には絶対にわからない。未知の世界だからだ。

  また個人的なものなので人によって違うが、典型的な例を示しておきたい。

  まず休みの期間。3ヵ月か6ヵ月は必要であろう。少なくとも「利益を得た。資産が増加したという興奮」が完全に収まる期間が必要なのだ。人間であるかぎり、程度の差はあれ興奮する。興奮よりも、ひと仕事終わったという安堵感で充実するといってもよい。

 『うねり取り入門』(同友館刊)の本を読んで実行した人から「生まれてはじめて、もちろんわずかな利益ですが、自分の力で利益を得たうれしさのあまり寝られませんでした」という手紙が来た。

 

  この人は、いままで損ばかりしていたのが、利益を得られた、それも自分で努力して得た利益なので、うれしくてしょうがないのだ。

  まして1,000万円が2,000万円になったら、誰でももう1億円、10億円は目の前だという気分になるはずである。

  それを気分でなく着実な第1歩にするための休みでありながら、うれしさ、興奮を静めるのだからたいへんなのである。  

 

○ひとまわり人間が大きくなった

 旅行に行くのがよいという人がいる。それも夫婦で行くと話し相手がいるし、旅先で名所にも寄れるし、名産品を食べたりして相場のことを忘れられる。1週間で帰ってきてしまったら、こんどは映画か芝居でも見に行って遊んでいればよい。

  また、家の中の大掃除をしたり、カーテンを新しく変えたりするのも気分が一新できるという人もいる。カーテンを変えると、ではソファーや食卓も…となって次から次へといくらでもすることが出てくるだろう。

  そして、いよいよ3ヵ月か6ヵ月の休みの終わりが近づいてくると新しい出発、さらなる飛躍のための準備にとりかかる。

  その「相場の世界への戻り方」はそれこそ次第次第に闘志がわいてくるという感じなのだが、これから大儲けのさらなる夢ではなく、力強く、自分がいままでより高い階段からの出発、それも浮ついたものでなく、着実に地に足がついていると自覚できるものなのである。

 人間としても落ちついて、他人が見てもすぐわかるくらいなのである。だが、その一段と高い出発点は、低い段階で想像していたものと全く違うもので、なってみてはじめてわかるのだ。

 

  たとえば、筆者のところの会員で、いまプロになって生活している人がいるが、そのことを話してくれた。

 「会社の帰り、あるホールの株式講演会から出てきた人の中に知っている人が何人かいたので、一緒にコーヒー屋に行きました。

  しかし、みんなと話しが合わないのです。自分が質の違った投資家になったからだ、とわかって驚いたのは数日後なのです」(林 輝太郎の売買上達セミナー 147より

 

 

 

 旭洋子先生の成功するための要点

 

  @ 株式投資で生計をたてよう、たてられたらと考えておられる人たちは、利益を得ながら、生活費を抜いて行こうとしては絶対にいけません。

  投資を始める前に、まず1年間に必要な金額を少し余裕を持ってプールしておきます。

  そうすることによって心に余裕が持て、焦ることなく、冷静に判断することができ、安心して投資に臨めます。それが成功に繋がる第一歩です。焦燥感を持ち、追い立てられるような気持ちで臨むようでは、決して成功はしません。

  

 

A運用資金は、途中で増減しないことです。

  1年を過ぎ、玉帳を締めた際に、利益からまた1年分の生活費を抜き、別にプールしておきます。残りの利益と最初に準備した運用資金をプラスした金額が、今年1年の新たな運用資金となります。これを毎年繰り返します。

  以上を続けて行けば合理的に財産を築くことができます。

  

 

  B大切な資金を運用しているのですから、 自分が会社の経営者になったつもりの覚悟で臨まなければなりません。絶対に倒産させることは許されません。いつも、理性を正しく持って冷静沈着に、慎重に対処するよう心掛けることです。

 

  勝とうとは思わず、負けないように努力することこそ肝要なのです。勝つということと負けないということは、同じではないかと思われるかもしれませんが、それは大違いです。

 

  相場で勝つということを目標にするのは、投機本位の気持ちの表れで、一攫千金を狙った考え方の要素を多分に含んでいます。しかし、負けないということを目標にする場合は、失敗をおかさないで、コツコツと一つずつ慎重に対処して行くという、実業家精神の表れで、初めから防御の気持ちを目的にし、攻撃が目的ではないのです。

 「勝負!」という投機的な気持ちは、運百パーセントの偶然的結果を望む人為的危険を自分でおかすことになります。

  株式投資には必然的に、ある危険を多分に含んでいます。だからこそ、勉強をし、相場の原理を理解し、正しい投資法で臨まなければなりません。よくよく心すべきことだと思います。

  

 

  C「休むも相場」

  株式投資で利益を挙げるには、

    上げ相場でとる

   下げ相場でとる

 の二つであることは、充分に理解していただけたと思います。

 

  区切りをつける大切さも述べました。上げ相場であれ、下げ相場であれ、のべつまくなしに年中ドタバタと売買を続けるわけではありません。とれると思う時だけ、そのチャンスに乗るのです。

  例えば、大天井の過熱状態の時などは、早めに利食いの手仕舞いをした後、しばらく休んで傍観するのです。休むと言っても、大切な作業まで休むのではありません。売買を休むだけです。作業は一日たりとも怠らず、次のチャンス到来を窺うのは言うまでもないことです。

 

  休むことは、休養をとるだけでなく、損をしないですむ大切な事項です。なぜなら、何もしないでいれば損の仕様がないからです。

  わざわざ火中の栗を拾うことはありません。

 

D「見切り千両」

 自分の建て玉が、相場の流れに逆らっていたら、さっさと損切りをして手仕舞いをしなさい、ということなのですが、それがなかなか難しいのです。人間誰でも損を嫌います。当然のことです。「もう少し我慢すれば、そのうちなんとかなるだろう」と、希望的観測をしてしまい、なかなか自分の非を認めようとしません。というよりも、認めたくないのです。それでは、いつまでたっても上達しません。損はますます膨らんでいくばかりです。

  例えば、A銘柄を1,000円で買ったとします。思惑違いで下降相場になり600円に下がってしまった。まだまだ下がりそうな気配なので思い切って、売却の手仕舞いをする。400円の損金を出したが600円は戻った。どうしてもA銘柄を持ちたい(利口ではありませんが)、どんどん下がって、どうやら底をついたらしく300円になった。それで300円で買ったら300円手元に残り、A銘柄も戻った。

  このように考えるほうが、いつまでも引かされた銘柄を持ち続けるよりも、少しは利口でしょう。それがA銘柄でなく、他の上昇に転じそうな銘柄を買ったなら、なおのこと、もっともっと有効であるということです。このように柔軟な頭に切り換えることも大切な心得の一つです。(旭洋子)

 

 

 

 

  相場戦略研究所 http://kaz1910032-hp.hp.infoseek.co.jp/

 

 

精神の安定を得るために売買する

2008/12/20() 午後 2:07

 

 精神の安定がなぜ大切なのか。

 売買における最も大きなリスクが己の不安感の増大だからである。

 

 『相場師の最大の敵は自分である』という意味は己の精神不安の増大が、利益を上げることを妨げるということである。

 

 精神不安を招くような危険な売買、すなわち、儲けたいという欲のために、

・維持できない枚数の玉(資金的に無理な建玉)をあわてて建てる

 ・楽観的な見込みで高値で大きな団子の玉をつくったあと逆行する

 

 こんなことをすると、突然、不安感に襲われ寝られなくなり、不眠により冷静な判断力を奪われて誤った判断をする「愚かな自分」が最大の敵となって立ちはだかり、

 最終的に玉の維持ができなくなり、最も不利なときに総投げ、総踏みになって大損する。

 

ということは、“早く、沢山、儲けたい”という「愚かな自分」の欲に打ち勝ち、精神の安定を得られるように売買しなければならない。

 

  それには、まず古来からの定石である2,3,5といった増玉法に従うことである。

 次第に慣れてきたら、定石を修正して自分にあった玉の増加の速度を発見し、

 自分なりの型、基準を決定する。

そして、いかなる相場に対しても自分の型をもって挑むようにする。

 明日の相場が どのように展開するか判らないからである。

 

  自分の型を基準にした建玉法は、悪手を打ったり、危険な玉を持つことを防ぎ、損失を最小限に抑える危機管理であると同時に、自分を不安に陥れることがなく精神の安定を得ることができる。

この精神の安定がないと相場で利益を上げ続けることはできない。

 

したがって、「精神の安定を得るにはどうしたらよいか」ということを主眼に相場を張るべきである。

 

  ○大きすぎる建玉をして相場が逆行し、一時的にでも窮地に陥って冷静さを失ってしまうと、その後、相場が見込みどおりの動きになっても、一時的に落ち込んだ心理から立ち直ることができずに、玉の維持ができない、変な玉の操作をするといった考えられないヘマを重ねて、本来、利益になるはずにのに、玉を手仕舞ったら損になることがある。

 

  これは、相場の流れよりも自分の玉の損益に心を奪われたからで、そうならないように心理的に負ける大きな建玉をせず、心に余裕を持てる建玉をすれば、「我が世の春」となったのである。

 (小豆相場の基本94/1p79)

 

 生き残るために

 ・時期を待つこと

 ・5枚を限度にした分割売買をする

(「ここぞ」とドカンと大きく仕掛けない5テール・トレード的な売買をする)

・大きな失敗をしたら、全部新しく、再出発。全てを新しくして

 基本からやり直す。 「基礎固めの練習売買をしていれば損しない」

・保合の中での分割買いは陰線引けの翌日

 

 「時期を待て。待てるものが残るのだ」(小豆の立川氏)

○相場のプロや成功者は心理的に重荷になるほど大量に売買することはない。(財産作りの株式投資p257)

 

 精神の安定のために

 ・自分の増玉の型を決めて売買する

 ・勝ぐせをつける(小さな成功を積み重ねることで自信をつける)

・専門銘柄を決め、僥倖を当てにすることなく、

 売買技術を向上させることで利益をものにしていく

 ・安定した利益を上げ続け、売買で生活ができるという確信を持つ

 ことが必要。

 

 *ファイブ・テール・トレード

 ファイブ・テール・トレード(Five teal trade)とは香港のテール金取引において行なわれていた、5単位を最高限度として売買する小口の職業的投機の方法。

 

○精神の安定 (20.12.6)

  相場は不安と期待が突出しやすいものであり、状況が良いときは必要以上に気持ちが高揚し、状況が悪いときは必要以上に落胆したり不安になる。投資家はそういう生き物でもある。

 

  投資家は相場の根底にある不安と期待によって、儲けようと無理をして悪循環に陥ることが圧倒的に多い。建玉を持つと、値動きによって自分の金が大きく減少する恐怖感は、想像以上に心理を圧迫する。

  買ったが上がらない。持っているうちに下がってきた。資金の余裕はない。

そういう状況になると、もはや事態を冷静に判断することはできない。

 

  「知らないと苦しい」と感じ、目先の将来を知ろうとして、普段は気にしない情報に敏感になり、インターネットでいろいろな情報を収集し、自分で自分の心を惑わせる余計な情報を作り出したあげく、ホッとしたり不安になったりを繰り返し、売買を始めるときに考えていた策戦などは、すっかり忘れてしまう最悪の状態になる。

 余分な感情の起伏を作らないようにコントロールするのも相場技術の一つである。

 

  心理的に苦しくなる事態を防ぐには、時期を待ち、資金に余裕を持った分割売買をし、日柄によって売買に区切りをつけることで、窮地に陥らないように進んでいくしかない。

 時間の経過・日柄という大切な要素を重視して安定的な売買を心がけるのだ。

 儲かっても休み、損しても休みとにかく感情の狂いを修正し、心を落ち着けて、次のチャンスに備えるのである。

 

そうして精神状態と利益が安定すれば、長期のパフォーマンスは飛躍的に向上する。精神の安定は利益の安定に直結するのである。

 

 

 

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ボロ株集め(FAI)はやめよう

2008/12/7() 午後 5:07

 

ボロ株集めはやめよう

 

 この投資家は夜遅くまでグラフを描いたり、銘柄の研究をしていた。

 株を買う、上がったら利食いする。そして、また厳選した別の株を買う。

 

すると二十数銘柄の持株が次第に悪化してゆく傾向があるのだ。

どうして そうなるか。

 株を買って騰がれば売却できるが、上がらなかったら持っているのである。

 上がって売却し、利益になったものは、すなわち優良銘柄である。

 

だから、こういうやり方は優良銘柄を手放し、

ボロ株を手持ちに組み入れてゆくことになり、

 遂にはダウが暴騰しても利が乗らない株ばかり持つようになってしまうことになる。

 (林輝太郎著 相場金言集p169)

 

 『 FAI はやめよう

   FAIは何を買っても儲かるような上げ相場の時期にしか機能しない。

 下げ相場で行なえば大きく資産を減らすことになる。これは買いを主体にした、どのような投資法でも同じである。

 

 上げ相場の順調なときでも、一段上げで7万円程度利益が出たものから利食っていくし、損切りの規定もないことから、下手な投資家はどうしても上記のようにボロ株、引かされ玉を集めるようになってしまう。

 本当に上がる株はいったん売ると買い直すことが難しいのは皆さんご存知のとおり。

 

  ある程度の技術を身につけた投資家も、買って騰がるのをひたすら待つFAIを続けると損切り、ツナギ等の相場技法を駆使することが困難だから相場能力は次第に低下し、

ついにはズブシロ同様の買い待ち投資家に成り果てるのである。

 

  FAIにすべてを賭け、一心不乱に月足グラフを千枚描き、FAI30項目のルールにしたがって買銘柄を選定したとしよう。

 

 千枚の月足グラフを毎月更新すれば、毎月「これは!」というルール適合銘柄を発見するのは当然で、常に目移りすることになる。

 

 株式市場は多くの銘柄が同じように動いていくものなので、月足グラフの型は共通点が多く、FAIのサインである6連陰線、5連陽線、十字は出る時には大量発生する。

そうした中から選択するわけだから、月足グラフの枚数が増えるほど迷いは深まるという皮肉な結果に陥ってしまうのである。

 

 千銘柄の月足グラフの中から騰がる銘柄を探すということは、結局、高級な“あて物”にすぎず、当て屋に堕していくことになるのは不可避である。

 

  株式市場の不況期に低位株は選別して上がるといっても、上記のとおり手持ちはボロ株ばかりになるし、買いサインは大量発生するから当てるのは至難の業。

いくつかの銘柄が当っても、最大24銘柄に分散するから、資金効率は良くないし、ツナギを想定していないので下げ相場にはノーガードになる。

  相場で生計を立てるのに最重要なことは資金を守ることであるが、下げ相場でFAIをやっていたら資金を守ることはできない。

 

 後は動いたものに飛び乗るという、ズブシロ的やりかたをするしかない。

でも、これではFAIをやる意味はない。

 

さらに、資金が多い人は大概24銘柄以上買ってしまっているので、何かを処分するか、ルール違反をしなければ買うことはできない。

 

  そして、こういう精神的に苦しい作業を永年続けていくと、人によっては次第に精神的に錯乱し、ノイローゼになるのである。けっして1億円達成の不安だけがノイローゼの原因ではない。

 

では、林投資研究所会報を購読し、FAIクラブが選定した買い銘柄を買っていくというのはどうか。

これは投資レポートの銘柄を買うのと本質的に同じで、「他人を頼るのはダメ」という相場の鉄則を踏み外すことになるので、けっして10億円を達成したS氏のように大成することはない。

 

  しかも現在のFAIクラブはズブシロの集団で月足グラフの下げ波動を読むことができないため時期を待つことができず、下げ相場に買い選定を連発。

 倍加どころが二分の一、三分の一に暴落する、とんでもない”買い銘柄”を選定してきた「お笑い集団」なのである。

こうした買銘柄を信じて買えば、破産は時間の問題だろう。

 「合議制の投資がうまくいった試しはない」と林輝太郎先生の本にあったが、現在のFAIクラブはその典型である。

 

  以前のFAIクラブが先のバブルの時、成功したのは物凄い上げ相場だったからであり、FAI投資法が特別優れていたからではない。この時は、どんな買い方でも合理的な方法でありさえすれば儲かったのである。

 特に、リーダーの林輝太郎先生が天井前に買い選定を停止し、一年半休んでカラ売りを開始。以後2000年ぐらいまで乗り替え乗換えで売り続けた。

 

  結局、リーダーの資質が決定的要因で、優れたリーダーが下げ相場を読み、

 時期を待つことができたから当時のFAI実践者は損を免れた人も多かったのである。

 

  この際、FAIで損をした人はFAIに対する幻想を捨て、「専門を持つ」ことにし、一つの銘柄の波動に集中したほうがよいのではないか。

 大きな上げ相場においはて、すべての銘柄が上昇するから、素性のしっかりした銘柄を選択すれば、FAIと同等の効果を上げることができるし、下げ相場においてもツナギ玉を建てることができるので利益を上げることが可能になる。

 

ただ、FAI30項目のルールは合理的であり、本気でFAIに取組、月足グラフをたくさん描いたことは決して無駄になることはない。その経験を肥やしにして、FAIをやるつもりで一つの銘柄に絞り、軌道修正するのがよいと思う。

 

  どうしてもFAIを続けるならば、FAI第一ルール 「4〜5年下げ、3段下げ完了の銘柄を買う」を忠実に守ること。結論は、あまりにも一般的であるが「時期を待て」ということになる。

 

 

○『大相場は10年毎というが、

これからの大相場に まず乗らなければいけないんだ。

 大相場はね、大相場になってからで間に合うんだよ。

 大相場にあまり早く乗ると途中で降りてしまうんだよ。要注意だな。

いまは見ているだけのほうがいいくらいだと思うよ。

 売買してもごくごく少しだな。』(林輝太郎著 勝者へのルールp251)

 

○そもそも現物株投資というのは「上げ相場」を取るものなのだ。株の値動きには、上げ相場と下げ相場とがある。上げ相場の時期には利益が得られ、下げ相場の時期には損になる。だから、上げ相場のなるべく高い時期に持ち株を売り、下げ相場になったら何もしないのがよいのである。(林 輝太郎の売買上達セミナー 81・連載より

 

○「林レポート」の読み方

 林はいま当っている。当っているから林の予測について行ってよいだろう。

 林の予測が曲がり始めたら林の予測の反対をやらなければならない」という醒めた、冷たい見方、読み方をしなければならない。(小豆相場の基本より)

 

○専門家だから正しい判断をするだろう(当るはずだ)と考えて予想を聞こうとします。その結果はもちろん損になってしまいます。(勝者へのルールp176)

 

FAIクラブの終戦記念日

2008/11/9FAIクラブのホームページをみましたら、11月の例会について林知之さんの下記コメントがありました。

 

 『 ◇経験したことがないほどの乱高下に対して見通しが立てられないという声が多かったのですが、大部分は目先は底打ちでも再び下げる局面があるという意見でした。しかし強気のメンバーもいるなど相場観はかなりばらばらな状態で、きっぱり弱気のメンバーもいました。

◇相場が大きく下げたことを受け、買い銘柄の見直しを行いました。前述した通り見通しが二分する中、形が崩れた銘柄を中心に大幅に除外しました。これからの動きを見て、FAI投資法の基本である長期のトレンドに注目しながら選定作業を行っていきます。

◇ほんとうに荒っぽい動きです。短期で値幅が動くので、そういう動きを想定したやり方をしている人にはチャンスですが、備えがない場合は無理な建玉をしないように注意してください。』(2008/11/08 林知之)

 

うーん、なにを言ってるのかよくわからない・・・・

 しかし、これじゃぁ 救いがねぇなー。

FAIの買い選定を信頼して買い玉をもって、世紀の大暴落に遭遇したFAI実践者の立つ瀬がないというものでしょう。

 

 『先行きどうなるか、FAIクラブとしては まったくわかりませんが、大きく下げてしまった買い銘柄は取り合えず、すべて除外するので、後は皆さん独自の判断で勝手にしてください。』

と言っているに等しいじゃないですか。

 

 FAIクラブは都合が悪くなると買い銘柄をまとめて除外しますが、

その時はもはや手遅れ。投げたら大損でどうしようもありません。

いったい何を根拠に買い選定をしたのでしょうか?

ひよっとしたらFAIクラブのメンバーはズブシロの集まりじゃないですか?

 月足グラフとFAI30項目のルールをしっかり見ているのですか。」

と言いたくなります。

 

ただ、FAIクラブのホームページの掲示板廃止だけは絶妙のタイミングであったことは、間違いないでしょう。

 

 平成20年11月8日はFAIクラブの終戦記念日になったようです。

 

 

○同志へのメール 2007/9/30()

 

9月月間高低表おくります。

  これだけ下げると「勝手にすれば」という感じで、月足グラフの更新もどうでもよくなります。

  ただ、相場暴落に際しては、林輝太郎先生を擁するFAIクラブもまったく無力で頼りになりません。

 一昨年、昨年に選定された買い銘柄は軒並み100円以上暴落するという壊滅状態。

 今回の大下げの最中も上昇相場に変化はないと言い続け、居過ごし状態。

なにやってんだ(笑)

 

でも、これが大雑把なFAI方式の限界なのでしょう。

 

  結局、他人を頼るのはだめという相場の鉄則は、FAI・低位株投資においても厳然と生きていて、FAI買銘柄についても盲信は禁物。参考にするに止めるべきで、最後にたよりになるのは自分の感覚しかありません。そして、その感覚を頼りに、余裕資金を沢山持って、下げるのを待つ。

 

  自分を守るためにも月足グラフを書き続けるのは大切ではないかと思います。

 今月足で、下げ止まりの感じがでるといいですね。

 

 

 

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精神の安定

2008/12/6() 午後 5:02

 

 相場は不安と期待が突出しやすいものであり、

 状況が良いときは必要以上に気持ちが高揚し、

 状況が悪いときは必要以上に落胆したり不安になる。人間はそういう生き物でもある。

 

 投資家は相場の根底にある不安と期待によって、儲けようと無理をしてしまい、悪循環に陥ることが圧倒的に多い。人気に振り回された売買は最初から負け戦である。

 建玉をもつことで自分の金が値動きによって増減する実感は、想像以上に大きな刺激となり心理を圧迫するからだ。

 

 買ったが上がらない。持っているうちに下がってきた。資金の余裕はない。

そういう状況になると、もはや事態を冷静に判断することはできない。

 

 「知らないと苦しい」と感じ、普段は気にしないような、些細な情報に敏感になり、目先の将来を知ろうとしてインターネットでいろいろな情報を収集したりする。

 自分自身で自分の心を惑わせる余計な情報を作り出したあげく、

ホッとしたり不安になったりを繰り返し、

 売買を始めるときに考えていた策戦などは、すっかり忘れてしまう最悪の状態になる。

 余分な感情の起伏を作らないようにコントロールするのも相場技術の一つである。

 

 心理的に苦しくなる事態を防ぐには、時期を待ち、資金に余裕を持った分割売買をし、日柄によって売買に区切りをつけることで、窮地に陥らないように進んでいくしかない。

 時間の経過・日柄という大切な要素を重視して安定的な売買を心がけるのだ。

 儲かっても休み、損しても休みとにかく感情の狂いを修正し、心を落ち着けて、次のチャンスに備えるのである。

 

そうして精神状態と利益が安定すれば、長期のパフォーマンスは飛躍的に向上する。

 

 

○精神の安定と努力(P.297株のプロ)

 

 3手 5手 7手のリズムは日数としては、その間に日曜や祝日が入るため

上旬 中旬 下旬 と 10日周期の動きとなる。

 

また、1ヶ月を前半と後半に分けるような動きになることがある。

 

それに対する実行者側についても好不調のリズムがある。

 

 我々は精神の安定と努力によって、失敗したときの谷間をより浅くして

立ち直りを早くするとともに

 

好調のときの山をより高くするようにし、

 少しでも長く持続させるように心がけるべきなのだ。

 

 相場をしているかぎり失敗を避けることはできない。

 

その失敗を最小限に食い止めるための一つは

「迷ったときでもいったん決めた予定は変更しない」ことである。

 

 悪手を打った場合は短くても二ヶ月は苦しい思いをしないと立ち直ることができない。

 (本間宗久の「不利運のとき4、50日休むべし」と立花さんの経験は一致する)

 

・人は精神的起伏のリズムがあり、一度悪手を打つと精神的リズムに偏重をきたし、

 精神的動揺によって、さらに悪手を打つ。

 

・元気で冷静な人と精神的に消耗し動揺している人が戦えば、元気な人が勝つに決まっている。

 

 

株サヤ取り

2008/12/6() 午後 4:21

 

林輝太郎先生による株サヤ取りの説明 (株式サヤ取り教室より)

 

@リスクがない

 リスクがないというのは仕事として当然の条件である。サヤ取りのリスクはゼロに近く、銀行業務のようなものである。

 

A利益は少ないが確実

 投機的売買ではないから事業として成り立つ

 

B心理的負担が少ない

淡々と利益を得ていく売買

 

C過大な周辺知識と努力を必要としない

 サヤ取りにおいて必要なのは技術的要素のみである。

 

D理論的である

冷静に人気の逆を行って「実利」を取る理論的で知的な仕事である。(株式サヤ取り教室p20)

 

 *サヤ取り

 同種商品間、あるいは収斂性のある異種商品の異常な価格差が

長期でない期間内に正常な価格差に戻る必然性を利用した売買で、

リスクがゼロに近く、ホジションは必ずスクエアである売買をサヤ取りと呼ぶ。(株式サヤ取り教室p13)

 

 

  栗山流 株サヤ取り

 (株のサヤ取り名人 栗山 浩さんのDVD宣伝文より抜粋、一部加筆)

 

 相場は過酷なものです。一代で巨万の富を築いた錚々たる大相場師でさえ、最終的には敗残者となったケースが多いのです。

 上がりそうな優良株を値頃感で買うという危険なやり方で失敗し、多くの投資家が元も子もなくして市場から退場していきます。利益になる人は5%以下です。

  相場で儲けるコツは

 @『銘柄選びではなく相場技法を磨く』こと。

 一般投資家とプロ相場師とはそこが違います。職人的「技」の体得に努力の方向を変えれば、利益を得られるようになります。

  A『大儲けしようとせず、安全な建て玉をして確実な利益を積み重ねる』という考え方を持つこと。

 守りながら勝つ、それがサヤ取りの建玉法です。野球やサッカーでも、守りを固めて失点を最小限に抑える戦い方が最終的勝者となるのです。

 

  栗山 浩さんは林輝太郎投資研究所の古い会員で、「ツナギ売買の実践」を参考に株式サヤ取りを実践し、林輝太郎先生にレポートを見てもらいました。それがきっかけで、林輝太郎投資研究所のサヤ取り研究会の講師を務めることになり、研究会の成果をまとめる意味で「株式サヤ取り教室」を出版しました。(大手証券会社が研修テキストとして使用)

 

 栗山氏は1990年初頭の「バブル崩壊」後、株のサヤ取りで利益を重ね、安全性を確信しました。以来、軸銘柄方式のサヤ取りを続けて大きくなり、成功を掴んだのです。

 

儲かる株式サヤ取りとは

 サヤ取りは「世界三大利殖」の一つとされながら、我が国ではそれに関する書籍や資料がほとんどなく、サヤ取りのプロたちも「門外不出の秘法」としているため、広く世の中に伝わることはありませんでした。

 

  サヤ取りに対する一般的な理解は「PER等指標からみて割高な銘柄を売って、割安な銘柄を買う売買」というものです。

  一見、理にかなった考え方に思えますが、実戦では通用しません。割高な銘柄はさらに上げ、割安な銘柄はさらに下げる場合が多いからです。

 

  サヤ取りで儲けるには、割安・割高でではなく、銘柄間のサヤの流れ、周期に着目して売買します。

 値動きに「リズム・うねり」が見られ、かつサヤの開閉を繰り返している銘柄の組合せを選択し、サヤの流れ、周期、変動幅などを検討して「買い」と「売り」を同時に仕掛け、同時に手仕舞うことによって利益を積み重ねていくのです。

そして成功するには練習売買を繰り返すことによって、売買技術と変動感覚を身につける必要があります。

 

 < 栗山流サヤ取りの実行手順 >

リズム取りで利益を得ることを基本とする。

選択基準に則って軸とする軸銘柄を決める。 

脇銘柄の候補を選定し軸銘柄との

 サヤの開閉状況を過去3ヶ月くらい調べる。

  サヤは拡大と縮小を繰り返し、その 流れ はある期間続く。

利益を狙えそうなサヤの流れ、開閉状況を見て脇銘柄を決定する。 

サヤが拡大する時は、軸銘柄を買い、脇銘柄を売る。

  サヤが縮小する時は軸銘柄を売り、脇銘柄を買う。 

仕掛け、手仕舞いとも同時出会い注文(寄付きの成行注文)で行う。 

買い建て銘柄と売り建て銘柄の両方が利益になる場合もあるが、

  多くの場合、片方は損になる。

損と利益の差し引きが利益になった時に同時に手仕舞する。 

 

  このような手順で売買を繰り返し、利益を積み重ねていく売買が栗山流サヤ取りです。

 必要に応じ「分割売買」「ツナギ」などを行い、建て玉の操作によって損失のリスクを抑え、利益を出していきます。

 

○サヤ取りの優位性

  『サヤ取り』は一般的事業の起業と比べると、立地条件に左右されず、人件費や在庫、設備投資、宣伝費等のコストが不要ですから、練習売買を繰り返し行ってサヤ取りの技術を体得し、ビジネスとしての売買に撤すれば、事業として成り立つ可能性もあります。

 

  主にサヤの開閉状況を見て売買するため、市場全体の上げ下げや情報、噂等に迷うことがありません。

  日中の株価の動きを見なくてもいいので仕事を持っていても売買が可能です。

  ファンダメンタル分析、金融知識、投資理論は不要で、技術的要素のみで堅実な投資生活を送ることができます。

 

  株をやっていれば、経済的大惨事による大暴落にいつか遭遇します。

 先般のリーマン破綻による金融動乱、9.11テロ、ITバブル崩壊、ブラックマンデー、スターリン暴落。

ポジションがスクエアであるサヤ取りは、こうした大暴落に遭遇しても、致命的な損をすることはありません。

 

 

○ 株の世界は対象物も多く、方法もたくさんあるから、荒海で水泳をやらなくてもよいように、自分ができる銘柄を選ぶことができる。また、やりかたもたくさんあるから、自分にあうもの、できるものを選べる。(財産作りの株式投資p12)

 

  相場戦略研究所 http://www.geocities.co.jp/WallStreet/1289/

 

 

殺すか、殺されるか

2008/12/4() 午後 8:19

 

○殺すか、殺されるか

 剣術には、敵を倒すという目的は同じでも、多くの流派があり、考え方や方法が違うのは、「殺すか、殺されるか」という厳しい局面においては、ごく僅かの差異で勝負が決まるからである。

  相場の「カネを取るか取られるか」という厳しい局面においても、まったく同じである。

  だから売買において、いちばんいけないのは「曖昧な考え方」、「はっきりしない方法」、「のろい決断」で、少しの油断が命取りになる。(株式成功の基礎P122)

 

  生死を賭ける剣術や相場においては、血みどろな実戦の経験によって学び、覚え、見につける順序と方法が決められている。

  (財産作りの株式投資p208)

 

 『兵法家伝書』

  さまざまな習練を極限までおこなえば、手足や身が自然に動き、心はなにも考えないでいられるものである。

  心は習得した技に従おうと思わないのに、身の動きは正確に技をあらわす。

 敵に対するどのような対応も、自由に、とらわれない境地でおこなえる。

いかなる天魔外道も、こちらの内心を読むことはできない。

 

  すべての物事は、完全に体得すれば意識せずにおこなえるようになり、

それが道の極意というものである。 (柳生宗矩)

 

○フォームというもの

 プロは一生を通じて専門の仕事でメシが食えなくてはならない。

だから、プロは自分なりの フォーム を持つことが最重要なのだ。

 

  勝負事は偶然で勝ち越せるものではない。

 一生を通算して勝ち越すためには、全勝を狙うのではなく、持続を軸とした

「これを守っていれば勝ち越せる」という方法を修練によって掴むんだ。

それがフォーム というものだ。

  言っとくけど、フォームに既製品はない。手縫いで、自分で作るんだよ。(色川武大「うらおもて人生録」)

 

☆フォーム2

  売買は、ある期間の儲けが通常より増大することがある。

それは周囲の好条件に恵まれ自分の型(フォーム)をスムーズに実行できた時、発生する。

 (うねり取り入門p283)

 

☆フォーム3

  すべての物事には フォーム がある。

さまざまな分野で、“結果を残す人”は自分の得意なフォームを持っている。

  フォームがあるから再現が可能。再現性があるから結果を残すことができる。

 

  相場においても、フォームが決まっている人は、その時々のブレがあっても、最終的には利益を手にすることができる。

  逆に、フォームが決まっていない人は、一時的に儲けても再現性がないので、利益を吐き出してしまうことが多い。

 

  スポーツでは“生涯現役”は難しいが、相場においては、確実な利益を積み重ねるフォームを身につければ“生涯現役”も可能である。

 

○突きん棒漁師

 若い人で真似ごとのようにして覚えようとする者もおるが、

モリを打つことを覚えるには時間がいる。

 水の屈折でサワラが実際よりも浮いて見える。

だから、感覚を掴まないと、なかなか突けない。

 最初のうちはほとんどサワラより上にいってしまう。

 腕を上げるには場数を踏むしかない。

 一本目を仕留めるまでの道のりが遠い。

 

○ジャンプの岡部選手

 時速90キロで助走し、数センチの狂いもなく踏み切るジャンプでは、

 完璧を求めず、常に70%の結果を出すという意識で飛んでいる。

 完璧なジャンプをしようと意気込むと、精密な動作は一気に乱れる。

 

 我慢することが大事で、できることだけをコツコツと積み上げる。

いい滑りが見つかったら、その感覚を手放さずに、自分のジャンプに練り上げる。

 

○血みどろのワッペン 

  追い証のかかるような立ち場に立ったら、

 見切り千両で苦しい玉を切るのが、市場に生き残る道である。

 

  日足線上昇角度75度から、85度〜90度に鋭角化すればS高を呼び、

ギャップをあけ、出来高増大となれば、その反動の下げも壮烈になるが、

 暴落が来た時は、あとの祭りで、売り玉は、みんな死んでいる。

 

さもあらばあれ、

 材料聞くより日柄読め。人の心は自分の心。踏むまで高い。

 

  そしてこれまでの経験からいうと、ヒリヒリ組が最高潮に達して、一人死に、二人死に、ほとんどの人が死ぬと、それを待っていたかのように相場は崩れてくる。

だいたい自分の考えていることは、その他多くの人の考えていることと一緒である。

 

  九死に一生を得て帰還できる人は余程、資力・気力のある人で、

 死にそうな思いの時の血みどろのワッペンを幾つも身につけている。

 

 良寛さんは死ぬ時は死ぬがよか候と言うけれど(鏑木繁)

 

○愚に徹すれば愚に非ず 

  相場必勝の行き着く奥義は『底を打ったものは買うだけ』。

 

 老子のいう、愚に徹すれば愚に非ず。

 

  人間は、上手に世の中を泳ごうとする。

 賢く生きたつもりが遠回りだったり。

 相場仙境の達人の域なら材料聞くより日柄読め。

 知る者は言わず。言うものは知らず。(鏑木繁)

 

○引かされ玉を温める 

  まいまいや菖蒲に浅き水車尻 蛇笏。

 

  商品相場の投機家というものは、

 利の乗っている玉を持っている人は、ほんの僅かで、

たいがいの人は引かされ玉(損勘定の玉)を温めているものである。

それは、利の乗った玉はすぐに利食いしてしまう。

 損勘定の玉は、追い証を積んでも頑張るという宿命下にあるから当然であろう。

 

 格言に〔見切り千両、利は伸ばせ〕とあるが、死ぬまでその境に達せず、

 私の人生スリルを求めただけ。どれほどお金を相場に投入したか。

 (鏑木繁)

 

○投資家の失敗に例外はない

 株式投資家の失敗は例外なく次のような筋道を辿ります。

はじめは

非常に慎重な売買を行なう

確実な利益を積み重ねる

或る年には好成績をあげる

 が、

 次第に慎重さを失っていき、

 最後に

 いままでの成果も元金も失う

 のです。

  それを長年月の間に何回も見てきました。

その「失敗するとき」には、どんな意見も聞き入れられず、

また、失敗してからでも「どうしてあのとき、

もっと強く言ってくれなかったのか」と逆にうらまれるのです。

 

 火事や交通事故のように、そうなってはじめてわかる、

しかし、手おくれ、なのです。( 林 輝太郎 )

 

○ネット売買の欠点

  売買回数が多くなる

 目先を追うようになる

 刹那的な売買をしてしまう

 そして次第に投資家自身をダメにしていく( 林 輝太郎 )

 

 

 

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相場技法

2008/12/3() 午後 5:46

 

 相場技法とは「分割売買」と「時期選択(時期を待つ)」だけである。

 

 相場技法といわれる売買の基本は価格変動の波に分割売買で乗ることで、価格変動の波の基本は約三ヶ月または六ヶ月周期である。

 

  分割売買は、資金を考慮して、リスクを考え、将来の手仕舞いを考慮して行なうのであり、それが相場技法である。単なる見通しの当たり外れとはまったく別のものなのだ。

  だから、「見込みが当ってもやり方が下手なら損する」、

 「見込みの適不中にかかわらず、商内の方法だによろしければ利益を博する」のである。(株式成功の基礎P266)

 

 時期の選択はテクニカルズであり、相場技法である。

 (日本の株価は5月連休前後の高値、12月、1月の安値が統計的に多い。

  勝者へのルールp59)

 

☆うねり取りのツナギ売り

 うねり取りのプロは、ここはツナギ売りができるなという時は、腰を据えてツナギ売りに取り組み大きな利益を上げる。

 「年末年始効果」「5月連休前後効果」という期節周期を利用するのである。

  「年末年始効果」を利用して12月、1月から買い、

 「5月連休前後効果」を利用して連休前後にツナギ売りを行い、

その後の下げ相場を取ると、このたった一回の上げ下げの往復だけで1年か2年の生活費が稼げる。(売りのテクニックp190)

 

  単純で面白みがない建設株のうねり取りを5年続け、利益を積み重ねていく努力は、決心によってもたらされ、再出発の2300万円の資金から1億円達成という成果を上げたのである。(うねり取り入門p36)

 

 売買というものは、具体的な建玉の動きで、

 『上げ相場の可能な限りの安値で資金に見合う買い玉を入れ、それを高値で手仕舞い』

 『下げ相場の高値で同じく売り玉を入れ、それを安値で手仕舞って』

 利益を上げることを言う。(勝者へのルールp175)

 

  生死を賭ける剣術や相場においては、血みどろな実戦の経験によって学び、覚え、見につける順序と方法が決められている。(財産作りの株式投資p208)

  剣術には、敵を倒すという目的は同じでも、多くの流派があり、考え方や方法が違うのは、「殺すか、殺されるか」という厳しい局面においては、ごく僅かの差異で勝負が決まるからである。

  相場の「カネを取るか取られるか」という厳しい局面においても、まったく同じである。

  だから売買において、いちばんいけないのは「曖昧な考え方」、「はっきりしない方法」、「のろい決断」で、少しの油断が命取りになる。(株式成功の基礎P122)

 

 波乗りの要領を覚えるには、回数で4〜5回、期間としては1年〜2年は必要である。

 (財産作りの株式投資p246)

 

 月替り線は「上げて月替り2回経過は売り場狙い」というように、売買時期の判断に役立てる重要な線である。『相場師スクーリング』

 

○小豆相場の基本

・3月またがり60日は周期の基準

 3ヶ月区切りで売買すれば高値安値は逃しても利益になるものなのである。(3ヶ月周期を見よ・3ヶ月を基準にして上げ下げを見よ・3ヶ月毎に建玉を見直せ)

 

・天底は相当あとでなければわからない

現在進行形の相場においては「底の想定」であり「天井の想定」であって、「これからつける底を予想」し、「つけた底を確認する」ものなのである。

 出発の玉は細くせよ

 

揉みは出動の場所

 上げ途上の揉みは逆張りで買う。下げ途上の揉みは逆張りで売る。

 

  保合の中での分割買いは陰線引けの翌日

 

 神ならぬ身の誰か未来を知るものあらんや。

いま目に見たるところにより、一心を定めて行なうのみ。

 

 実践者の心理は常に揺れ動いているものなので強弱感と建玉は相関しない。

 

 安値では弱気になるな 高値では強気になるな

(小豆相場の基本より)

 

○鈴木 隆の『金泉相場』

   金泉相場とは

1.3ヶ月中心相場 上下約半年

 2.6ヶ月中心相場 上下約一年 これである。

 

  それで私は、上の2つの天底を観察して金泉相場を逃がさずば、泉の如く金が入ってくる。何人も財を積み、産を成すことを得るものと信じる。

さて、そう肝を決めて 私は金泉相場以外には同士に勧めない。

 

 (中略)一相場は 大体3ヶ月中心と言うべきだが3ヶ月より幾分短いことが多い。

 

  6ヶ月中心相場は三年に一度、異変好況の年は必ずある。

 3ヶ月中心相場に比較すれば波乱規模が大きいから、その何倍という動きを見せるであろう。

したがって、3ヶ月中心相場で儲けた幾度の利益よりも、6ヶ月中心相場一つで得た方が利益が大きいことも事実である。

それ故にこの業界の志士は、全知全能をあげ、あらゆる苦難を忍んで、6ヶ月中心相場を逃さないことを希望する。

 

  6ヶ月中心相場の特徴は発足が、始めは穏やかであるが、上げ幅が3ヶ月中心相場に比べると大幅に飛ぶので、旧来の小相場に慣れた頭で、利が乗ると忽ち利食いしたり、中には売り越したりすることもある。

 「林輝太郎投資研究所 研究部会報2003年11月号」p.42より

 

3ヶ月投資パフォーマンス

60日周期、3ヶ月波動を利用して波乗りの練習をすると効果がある。

 

 日経平均の27年における60日周期の勝率は69.1%であり、必勝法というべきものである。

 

 時期を待てるものが成功する。

 (時期を待つためには3ヶ月で手仕舞いして、休みを取り、金を持って底入れのチャンスを待たなければならない。)

 

 『株式成功実践論』

 

 株のプロと負ける投資家のちがいは、やさしいやり方をするかどうか。

 

うねりという価格変動の波に乗り、株数を増加させ、そして手持ちをゼロにして終了という継続作業で、それぞれの段階においての成功不成功が増幅されるので、やりやすい方法を選択すべき。

 

 銘柄を固定して継続的な価格変動をもとに反復売買により、波乗りの技術の上達を目指す。

 

 急がずに、チャンスを待つ。

 

 値動きの変動周期が一定している銘柄を選択する。

 

 「欲を押える」心構えが必要。利が乗って大胆になってはいけない。

 

 危機管理 しまった、は手仕舞え。

 

 日柄

 「体得しなければいけないコツ」とは何なのか。

 「三ヶ月区切り」「うねりは三ヶ月周期」ということなのである。

 知っているだけではだめで、「三ヶ月区切り」を活用できるようにならなければ、成功しない。P.80

 

「三ヶ月区切り」による銘柄固定日柄売買はプロだけがやる。

 

グラフの見方

 株価の値動きは上げと下げとが交互にあらわれるが、

 「上げの値幅が大きく、下げの値幅が小さい動き」の繰り返しが

上げ相場であり、

 「下げの値幅が大きく、上げの値幅が小さい動き」の繰り返しが

下げ相場である。

 

 保ち合いのときは上げ下げともに三ヶ月周期が目立つ。

 

 突発事件が起きたときは、瞬間的に一方的な動きをすることがある。

 

が、約三ヶ月毎に上げを取り、下げを取っていこうとするわけである。

 

 

○プロだけがやる売買「3ヶ月区切り」

  ところで大同証券の古い人が言った「いわゆるコツとかそういうこと」はいったい何なのか。

 「3ヶ月区切り」「うねりは3ヶ月周期」ということなのである。

 

  なぜ、これが「体得しなければならないこと」なのかというと、理屈ではわかっている、十分承知している、といっても、体得してほんとうにわかった、とならなければ実行しないからである。

 相場の辞典にも必ず出ているし、3ヶ月周期なんか気にしていないような立花義正氏でも

「三ヶ月区切りが有利 読者も3ヶ月でゼロをつくるように、これは心掛けるのではなく、自分で強制的にでも行うようにして下さい。」と書いているが、

そういうプロ的な、プロだけがやる、それも、うねり取り(銘柄固定)そのものがそもそもプロ的で、それにさらに3ヶ月区切りが加われば、それで十分なのだ、ということにほかならない。      林輝太郎

 

○日 柄

  時間の経過を示す相場上の特殊用語で、普通一つの波動の始まったときを基点として、それからあとの日数をもって勘定する。

  したがって、波動が転換すれば日柄もまた改まるわけである。

  大底を打って上げ波動が始まってから、まだ1ヶ月や2ヵ月しか経っていないときは、相場年齢の若い時代だから、その途中にびっくりするような押し目が出ても簡単に投げてしまう必要はない。

  しかし、上げの日柄が3〜4ヶ月も続くと、そろそろ相場も爛熟期に入っているので、飛びつき買いを試みることは危険である。

  相場のひと波動の平均は約60日程度といわれている。

 (三月またがり60日)

このため例えば7月中旬に底を打った相場は10月の中旬に天井を打つことが多い。

 

 

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花の都はたそがれて

2008/12/3() 午前 4:24

 

相場社会の話になりますとホロ苦いものになります。

 商社マン相場師の中では一世を風靡したTさんは、お酒が入りますと

『あれをごらんと指さすほうに・・・』とやるのです。藤田まさと作詩の“大利根月夜”です。利根の流れを流れ月、昔笑うて眺めた月も・・・

 と、恐らく自分の運命を相場師の勘で、判っていたのかもしれません。

 

 大きな仕手戦を勝ちきって、どれほど会社に貢献したか判りませんが、たった一度のしくじりで子会社に飛ばされました。

 

 調子のよいとき、ともすれば人を人とも思わぬ勝負師特有強気の振る舞いがTさんの上司や同僚の反感を買っていたのです。

 

 将棋の升田幸三さんは勝負師が嬶子のことを考えていたら天下は取れんと言っていましたが、Tさんも家の中は目茶苦茶だったようです。しかし、家庭を犠牲にしても自分は会社に儲けさせているという気負いがどこかにあったようです。

 

たしかに冴えわたる相場の判断力は天下一品でしたが、資金は会社のものです。商社というバックがあって情報網も調査機能も抜群で、世間の見る目があってのTさんです。

いわばサラリーマン相場師、組織の中の相場師です。

 充分わきまえてはいますが大勝利が続くと自分ひとりの力と思うわけです。

 

 Tさんが飛ばされたあとのことは下り坂を転げて落ち、

あれほどの切れ味もただの凡人、曲がって曲がって自宅も手張りで飛ばしたということです。(鏑木繁 先物罫線より)

 

○アパッチ族の滅亡

 

 花火みたいなもんでしたわ。

こないだの晩、天神さんの日ですわ。

 空にポンポン威勢よう打ち上げられる花火を見てましてな、ポンと上がってパッと消えてまう、まるでわたしらと一緒やなあ思いましてん。

 

ちょうど二年前の今日でした。八月六日、忘れませんな。突然、ガラが来た。一年近く買うてきて、やっと一万八千を超えたところで、崩れてもうた。

たった一週間でっせ、一週間ですべてが吹っ飛んでまった。

 

 「小豆ですね」

 

 四十八年の下げ相場でやられた。

 

そう、アパッチ族の滅亡です。

 

 売るに売れないんです。買い手がつかない。

もう止まるだろう、もう止まるだろう、そう思っているうちに儲けはすべて消えたんです。

 

 儲けどころの話じゃない、足を出してしまった。

 

ションベンがコーヒー色になりましてな。

 

 「でも一年近くは楽しい思いをしたんだから、いいじゃないですか」

 

いや、そうじゃないんです。

ガラの来た八日間の長かったことにに比べれば、そんなもんアッちゅう間でした。

 

 死のうかと思いました。

 

この世界から足を洗おうとも思ったけど、洗って何ができるわけじゃなし、

 学歴も何もないわたしらができるのは土方ぐらい。

この世界にしがみついているよりしゃあない。

 

 借金をこさえてもうて、この借金、相場以外でどうやって返せますねん。

それに好きですしな、やはり。(沢木耕太郎 鼠たちの祭より)

 

 

○最も儲けた男の話

 

  ある証券会社を定年退職した男がいた。定年で退職するのだから内勤である。

 相場か好きでこの社会に入ったのだが、戦争に行き、復員すると直ちに元の証券会社に戻った。そして三十年たった。

  その証券会社は名前こそ変わってはいるが、100年の歴史をもっている。

そして、その男はその100年の中で最も儲けた男といわれ、祝福されて退職した。

  昔は株が好きでこの社会に入ったものだった。<中略>

  その証券会社の100年の歴史の中では、一時は大儲けした人も数知れずあったことだろうが、いずれも栄華は長くは続かなかったのだ。

 

  そして、その男が復員してきた頃には、戦前の生き残りの 

 「株に一生を賭けた」 という年寄りがまだいたのである。

 

  そういう荒波をくぐってきた人たちに、懇々と、この街で生き、そして売買で成功するには、キワモノやゲテモノ(流行株や材料株)を追わず、銘柄をしぼれ といわれたのだ。

 

  そして定年まで守り通した。だからこそ有終の美をかざれたのである。

  問題は銘柄である。

  山日鉱(日本鉱業)と同和山(同和鉱業)との二銘柄だけと聞いた。

  このふたつとも、現在は派手に動いている。

 

  しかし、動き始めたのはこの2〜3年のこと。この男が退職するまでは、それこそ動かない株の代表といわれたものだったらしい。

 

  それを、『 100円で買い 』 『 130円で売り 』 を続けただけなのだ。

  同じ銘柄を続けるということは、下値の限界だって見きわめがつきやすいし、会社筋の買支えが入ったのではないか、ということだってわかるようになるだろう。

  上値だって、こんどは前の高値を抜くかもしれないということが おぼろげながらもわかるようになるだろう。

  こういう、「うねり」 を取ってきたのである。(林輝太郎著「株式上達セミナー」p33)

 

 

  晩年の薮田忠次郎は難波橋畔で薮田鉱業所の看板を掲げ、室内に鉱石を二つ、三つ転がし、中村不折の扁額を眺めて心穏やかな日々だった。

 

 時折、相場を知らせる電話が入った。

 老兵は少しばかりの玉をいじっていたが、ほんの小遣い稼ぎにすぎなかった。

 (鍋島高明著 日本相場師列伝p87)

 

 

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保険ツナギ

2008/12/2() 午後 7:56

 

 人間は、運がむいてきたら、どのような夢でも達成できる。

あんたは今、つよい運気のなかにいるんや。こういうときに思いきって、やりなはれ。

 

 同和鉱は素性の確かな会社で、含み資産は莫大なものや。

しかも生産しているものが銅や銀で値動きの強いものばっかりや。

 非鉄の相場が低いときに株を買うておけば、必ず儲けられるときがくるに決まってる。

 夏場にスルメを買うておけば、年末には必ず利が得られるのとおなじ理屈や。

 

あんたは手堅い銘柄に眼をつけたわけやな。

 世間の人はかしこいようで、抜けてるものや。何年かの周期で、確実に業績が上がったり下がったりするような株はトロくさいいうて、目先ばっかり追って損してる。

あんたや儂のような、手堅い戦法は無視するわけや。

 

 「坂本はんは今後、同和鉱業にひと相場おこったら、いまの持株を売らはるんですか」

 

いや、儂は売らんよ。同和鉱はいつまでも資産株として、持っとくのや。

もっとも、いつまでもいうたかて、儂の死んだあとのことは知らんで。

 眼の黒いうちは、平和不動産なんかと同じように、売らずに持っとるで。

 

  彼は、平和不動産の個人大株主としても、名が知れていた。辰之助は、その資力を運用して、自然に富を蓄積していた。

 株式市場のうねりが好況の頂点に達すると、所有株が高値を保っているうちに、信用取引を利用して、保険ツナギのカラ売りをする。

  相場が下降に転じ、大底を売った頃に買い戻し、手にした差益で安値になった株式を買い増すのである。

このような方法を繰り返しておれば、たまに儲けを逃がすことがあっても、損を招くおそれはない。(津本陽 最後の相場師 P.123)

 

○コストダウンの速度

  株のコストダウンのツナギ売りは、手持ちの10%〜200%の売り建て*をする。

  ツナギ数量の10%から200%の選択は、客観的状勢 や 実行者のなれ によって増減されるが、安全を第一とし、

コストダウンの速度を速めることは二の次としなければならない。

 

  手持ち株数を10%しかツナギ売りできなくても、10回やれば全量のツナギ売りと同様のコストダウンとなる。

 

  一つの銘柄に慣れるのに2〜3年はかかる。(ツナギ売買の実践p38)

 

  コストダウンのつなぎ売りは 売り上がり が原則である。(ツナギ売買の実践p52)

 

  コストダウンのコツ は急がず、ゆっくりやることである。

@一回の枚数を少なくする。

A売りツナギの一部を早めに手仕舞って残りはゆっくりやる。(ツナギ売買の実践p255)

B仕掛けも、半分を早めにツナギ売りし、残りをゆっくりつないでゆく。

 

 *常に10%以上を売りつないでいるのは、

 『本玉を裸にしない』ためだと思う。

 相場のことだから、最安値と思っていても、さらに下げることもある。

 10%のツナギ玉は、そうしたときの心理的備えである。

 

○紡績会社のツナギ

 ある大手紡績会社が、NY綿花取引所で定期を大きく売り建てしていて、

その売り玉を期先へ乗り換えては、その度ごとに損をしていた。

  不思議に思った商品取引仲買店のW.H.ハバードは、その理由を紡績会社の担当者に尋ねた。

  「今の綿花相場は法外に高すぎるし、先日、発生した生糸相場の暴落が気がかりだ。綿花相場も同じ様に暴落するかもしれない。

  暴落した場合、当社が高い綿花で製造した綿製品の売約が取り消される恐れがある。その危険を保険ツナギするために定期を売り建てしている。売約のキャンセルが発生するような事態になれば、この保険ツナギは非常に効果的になる。

  もし、暴落が起きなければ保険ツナギの売り玉は損になるが、それは製造原価の一部であると考えている。」(岩本巌著「相場は生きている 相場実践編」より)

 

 負けにくいやり方  (バカラ流ツナギ売り)

  私は つなぎ売りで現金収入を得ています。 

たとえば、私は2006年の1月10日から売りを仕掛けていきました。つなぎ売りです。

この時は総強気だったと思います。私もまだ上がるだろうな、と思いつつも、つなぎを一ヶ月かけてするつもりでした。

 

  2005年後半に急激に上げたからです。理由はこれだけです。そしたらホリエモン逮捕で暴落。 それから、回転利かせて、乗せ乗せ売買、こういうことは言えないです。教科書では下げ傾向になってからと売るとなっていますが、実際、私はそんなことしていません。

 

  私が皆さんと違うのは、2002.3年の安値で全力で現物株を買って、未だにそれを所有していることです。

 最近では2005年の一月、三菱自動車の件で三菱重工が下落して200円後半になりだしたときに、戦艦大和建造中と書きました。そのままずっと買い続けまして、今後十年は放しません。事前にこういう仕掛けをしておきます。何ヶ月も何年もかけて現物を仕入れ、つなぎ売りのための仕掛けを創ります。

 

  そして、強いところで、売ったり、買ったりして強弱を感じるようにします。私がつねに主張しているのは、この実行力です。強いところで売る実行力を持つには精神力はもちろんですが、カラ売りの心理的圧力を緩和する負けにくい仕組み、即ち”安い現物株“を持ったつなぎ売りであることが絶対的な要素になってきます。

  専業を目指しておられるなら、キーポイントは安い現物をいかに多量に持てるかになりますので、数ヶ月、数年かけてもやるべきです。

 

  今日も三菱重工を売りだしています。

 私は、引けに注文をだします。

 寄りに窓をあければ、売ります。

 何十万株の売り玉を去年だけでいれていますし、数年越しでコストダウンした100円台の大成建設株がこれ以外に数十万株あります。こういう、ただ同然の現物株の在庫があるから、心理的圧力に打ち勝って高値で売ることができるのです。(バカラ)

 

ツナギ売りの本玉

 

3614 RE3613遅くなりすいません バカラ - 2005/04/07 23:28

>売りの本玉というのは大成建設などの現物の、

ツナギ売りの本玉ということでしょうか。

 

そうです。ツナギ売りです。

 

これを 年に一回あるいは二回、取れそうにおもった時期に本玉入れていきます。

 

オーバーヘッジする時もありますが まれです。

 

 陰線新値の買いで試しを入れます。

しかし、これをする前に高い所を先にツナギ入れてます。

 

 値幅の大きかった日や3連騰の翌日とか。

 酒田の陽線新値の本数でしたりもしますが、ここらへんがうまいこと云えません。

 

 強いな、と思ったらツナギ一発目、

どんと20円騰がったらまた一発入れるとかです。

 

 一番適切な言葉は”適当”かな。でも”いいかげん”ではないと思います。

 自分の経験で入れてるとでもいいますか。そんなところです(笑)

 

 売りの利益は高い所で売ることです。

 狙って当たるわけありませんので、”適当”にポンポンと入れます。

 

 日柄でみて酒田でみて あとはポンポンです。

 現物あるのでここらへんのことが何の抵抗もなくできてます。

 

どこまで上がるかわかりませんが、止まって陰線3本でたとします。

そしたら1発買いを入れます。

この玉を非常に重要視します。玉帳に赤丸をしておきます。これが僕のアンテナです。

 値がまた騰がったら、また上のところで”適当”に売り玉入れて、同じことします。

 

もうひとつはしていることは前にも書きましたがゼロ戦特攻隊、

 酒田で説明しますと陽線5本目、7,8本目を買います。強烈なアンテナになります。

 

 日柄60日 酒田陽線新値8本目。猫次郎師匠が短期で逃げるところです。

いわゆるど素人張りをします。

 

 僕は売りでの乗せ、順張りが得意です。

しかし逆張りの基礎を徹底してやってますので、玉を入れたらアカンところが自分なりに感覚としてあります。そこにあえて入れますんで非常に感度がよいアンテナになります。

 

そして毎日、大成建設では売りのデイトレをしています。

これでけっこう稼げます。猫次郎師匠がプログで”デイトレは売りが有利だ”と書いておられました。まさしくその通りだと思います。

 一日中張り付いています。

 現物のある銘柄はしています。これしてると場帳からうける感じが強いです。

 現物は超長期買い持ちです。

 

3596 修羅のごとく バカラ - 2005/04/02 23:21

 ガソリンに参入しているので株式はつなぎにつなぎまくって修羅のごとく建てまくり。

 

  配当権利付最終日に照準を合わせて高い所を売りに売ってました。

 上昇3ヶ月、当たり前の調整じゃないかな。

 僕は配当のことは毎年考えていません(笑)

 今年は押しらしい押しはなかったでしょ。

  そして素人大衆の大量参加、配当利回りの煽り、4月からのペイオフにからめての詐欺師たちの煽りよう、条件が整いすぎてました。

ガソリン失敗したときの万が一のための予防策のためでもありました。ぶった切りです()

 

もともと強気の強気なんで安くなったら株数を増やします。

 

  僕のオイルマネーで巨艦戦艦大和を建造しています。

 三菱重工 上値が重くなかなか騰がらないですよね。騰がってもすぐ下がる。弱いです。みなさんも感じてられると思います。

 今年になって180枚増やしました。

 弱い、騰がらない、となると売り買いしながら回転売買。安心売買です。

  騰がれば売る、騰がれば売るの繰り返し。

これを多量枚数でやる。コストの安い根玉があるので負けようがない。

だから余裕しゃくしゃくでなんでもできます。この株が400円になるのは1年後か3年後か。僕の本心はずっとボックスのままでいてほしい。

 

 三菱重工 大成建設を筆頭に

石川島、住重、大林建設、清水建設、鹿島建設、

 新日鉄、東レ、三菱電機、日興證券、日本水産、

 三菱化学、マテリアルなどなど安い根玉を持っていろいろなことやっています。

 

○コストダウン・保険ツナギ

 まず、底値圏*で不人気なときに現物の株を買う。

 

 大天井で、まとめて売ることは不可能なので、

いい水準まで値上りしたら、カラ売りで分割して売り上がる。

 

そして、安値になったとき、買い戻す。

 

 万が一、株が下がらない場合でも現物を渡せば損しないし、値下がりするまで損金を払いながら、カラ売りの乗換を続ければよい。

こうした手法を繰り返すことで利益を確保し、持株のコストを下ていく。

 

 * 狙った株を安値で大量に買い付けることは意外と難しい。

 首尾よく底値圏でたくさん買えた時は幸運である。

 

 底値圏で買っていれば、その後、幾分か値上りするものである。

その結果、時価よりコストの安い株を所有することになり、大きな安心感を得られる。

 

その心理的に有利な状況を絶対に手放さないで持続することが大切なのだ。

 

さらに、高値をツナギ売りしてコストダウンできれば、安心感をより大きくできるし、手にした利益で株数を増やしていくことも可能である。

 

 

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立花義正の売買技法

2008/12/2() 午後 1:11

 

 30年間の売買で得た結論

・自分なりの売買をしてゆく

 ・分割売買をする

 ・ゼロをつくる ⇒ 売買に区切りをつける 不利な玉を切る

 

☆ 上げ下げのリズムに乗って、分割売買で平均値を有利にする。

リズムに乗る分割売買が相場技法の基礎であり、

そうした分割売買で、平均値を有利にして不利から逃れることにエネルギーを集中するのが相場のコツある。p34

 

☆ 相場において、利益と損失は交互に発生する。p264

だから、利益の後は休むのがよいし、

 休まないのであれば、

 「儲かったから、玉を増やそう」ではなく、

 「儲かったが、次は損になるかもしれないから、前と同じ玉数で挑もう」

と考え、一定の建玉法で臨むべきである。

 

 売買益で生活している者にとっては、売買技法こそ生活の源泉である。

 生活費を作るために、大きな波を取る人もいれば、小さなリズムを取る人もいる。

 売買技法は人それぞれである。

 

☆売買の上達とは

売買の上達とは「自分が取れるところ」がわかってくることである。

そうなれば「取り方」がわかってくる。

 

 満足できる売買をするためには、「体調をよく」し「生活のリズムを乱さない」ことが大切である。p329

 

☆根の玉の維持

  根の玉とは、十分に値幅を取る 基本の玉のことであり、下げ相場に乗ったのは一万株程度であるが、戻りでは三万株増加させて、上手に泳いだ。

 

そのやり方は、戻りの新値を不等分割で売り⇒安値で手仕舞い、を繰り返すが、根の玉は維持していく。p260

 

○脱アマ相場師列伝 専門を持つ

 プロには専門がある。専門をつくらなければプロの資格はない。

  商品相場で利益を上げている人は自分の専門に売買する銘柄が決まってくる。専門がなければ取れないことがわかってくるからだ。

 情熱を燃やせる、損を利益に逆転できるような”得意銘柄”を創らなければ勝利を物にすることはできない。

  専門をつくることは“強くなること” だ。

 

 専門を持つ(=銘柄をしぼる)

  腕が未熟では儲からない。相場は腕で取るものだ。利益を上げるには「当てよう、当てよう」という当て屋から脱皮しなければならないのに、大概は一生当て屋のままで終ってしまう。

  だから、専門の銘柄をつくる決心をし、当てようとする気持ちを売買に上達しようという熱意に変換して、一つの銘柄に本気で取り組むべきだ。

 「専門の銘柄」を選んだ動機は意外に単純だし、それでよい。目移りしたらきりがないから、選んだ株に全力を尽くす。

 

リズムだけを追う

 成功した気のゆるみから小豆の高値で大きな団子の玉をつくり追証、利益金で買った株も下げたうえ、小豆の玉を強制的に切られて大損。自殺寸前に追い込まれた。

  その後の再出発では小豆を専門にし、値動きのリズムだけを追っていく、いちばん簡単なやり方をやって立ち直った。

 小豆の動きは株より手が決まっている。手が決まっているとは、動きにリズムがあることだ。

 

 酒田新値の本数の数え方で、一本目が小さいときは二本目から。

 一本目が大きければ一本目から、ついた翌日の寄付きを成行で注文する。

 保合の中での分割買いは陰線引けの翌日

 

  自分の相場観(儲けたいという欲望)を殺して定石のサルマネをして一貫した売買法を身につける必要がある。

それが身について利益が安定し、気持ちにゆとりが出ると、押しを待って効果的な手ごたえのある「乗せ」ができるようになる。

 日本電気を専門に売買し、生活源とすることで株の売買で生活していけるという確信をもつことができた。

 「自分の専門をつくることは強い」

 

 *専門= ある一つのことだけに専念すること。 一つのことだけに関心を向けること。

 

○あなたも株のプロになれる 自分の型を持つ

 これから売買で生活していこうと思っている人へ

『 自分なりの基準、型 』

  自分なりの売買をしてゆく(自分にあった型を基準にして売買する)ことは、なんとも説明できないほどの安心感があり、精神の安定を得ることができる。 2 3 5

  だから向上意欲を持ち、自分の専門の銘柄をつくると同時に 自分の型 をつくること。

 売買で上達すると「自分で取れるところ」「取れる利益の限界」がわかってくる。p329

 

  売買にはリスクがつきものだから、まず安全を考える消極的な姿勢を持ち続ける。

  明日以降の相場はどのような展開になるか“わからない”から、

 自分なりの基準、型を持つことで、状況が悪化しても気持ちにゆとりを持って対応できるようにすべきである。

 自分なりの基準、型を持つことは悪手を打つことを防ぎ、損失を最小限に抑える危機管理でもある。

 

  相場において、利益と損失は交互に発生する。p264

 

 「自分なりの売買」を具体的に言えば 

 玉の増加の速度 

 区切りのつけ方を自分の手に合うようにすることだ。p320

 

 建玉法( 型 ・ 定石 )=2.3.5.5.5

 

 売買上達のコツは技術の習得

  当て屋から脱皮するには、分割売買に移行する必要がある。

 単発で騰がる銘柄を狙うことから、銘柄を限定し、自分なりに売買の出発点を定め、

 仕掛け⇒ナンピン⇒手仕舞いと云う工程を経ることで、売買の上達に道が開ける。

 上達とは売買技術を習得することで、繰り返しの練習売買によって自分で掴むものである。p241

 

 苦労して掴んだ相場のコツ

 ・自分なりの売買をしてゆく(自分にあった型を基準にして売買する) 

・○をつくる(区切りをつける。不利な玉を切る)

・分割売買をする

 

売買技法の基本(定石)

 片玉二分の一   (資金管理)

 雑音無視     (情報管理)

 5%逆行注意   (行動基準)

 

ナンピン三分の一 、乗せは三分の一 、

ツナギは三分の一 (逆売りは三分の一)

 

ツナギはコストダウンの最良の方法かもしれないが、自分は本玉維持の(精神の安定の)ためにやっている。

 

 分割売買は売買技法の基本である

押し目の探り方、平均値の取り方は売買法の基礎

 売買とは自分をだましだまし値動きに合わせていくもの。

 

リズムに乗る分割の技術が売買技法の基礎(リズムを追え、それ以外は考えるな)

 

  逆向かいの実行方法 (押し、突っ込みで買い、戻り、吹き値を売る)

 買い=下げの2日目から買い下がり始める。3日目も安ければ買い。戻ったら一旦 売り。

 売り=戻りの2日目から売り上がり始める。3日目も高ければ売り。押したら一旦 買い。

 

 典型的な戻りは「上げとは言えないような陽線2本から3本の戻り」である。

 

 材料を忘れる=材料を映して相場が動けば、相場が後付けになっているわけだから、逆向かいする。p46

 

 保ち合いの中の分割売買は差をつけるほど有利である

保合の中での分割買いは陰線引けの翌日

 

 細かい値動きを気にしていると大きな流れを見失う。p136

 

 通い相場では日足グラフにより陰陽新値の出現率をたよりに

「この辺が戻りの売り場かもしれない」と判断する。

 

チャンスはそうあるものではない。チャンスの到来を待つのは辛いが、待ってこそ勝利の喜びを得られる

 

対象物の研究がいくら精密になっても技法を除外してはすべて無駄である

 

○現株を保有する

 パイオニアは、ソニーの現株を保有した経験を生かして、はじめは現株を持つことにした。成長期の品薄株は政策的、人為的なクセのある動きをするから、現株をある期間寝かせる投資法でないと取れない。

 

○精神の安定と努力(P.297株のプロ)

 3手 5手 7手のリズムは日数としては、その間に日曜や祝日が入るため

上旬 中旬 下旬 と 10日周期の動きとなる。

また、1ヶ月を前半と後半に分けるような動きになることがある。

 

  それに対する実行者側についても好不調のリズムがある。

 我々は精神の安定と努力によって、失敗したときの谷間をより浅くして立ち直りを早くするとともに、好調のときの山をより高くするようにし、少しでも長く持続させるように心がけるべきなのだ。

 

  相場をしているかぎり失敗を避けることはできない。その失敗を最小限に食い止めるための一つは「迷ったときでもいったん決めた予定は変更しない」ことである。

 

 悪手を打った場合は短くても二ヶ月は苦しい思いをしないと立ち直ることができない。

 

 関連メモ

 ・人は精神的起伏のリズムがあり、一度悪手を打つと精神的リズムに偏重をきたし、

 精神的動揺によって、さらに悪手を打つ。

 

 本間宗久の「不利運のとき4、50日休むべし」、立花さんの経験はそれを裏付ける

 

 ・元気で冷静な人と精神的に消耗し動揺している人が相場で戦えば、元気な人が勝つに決まっている。

 

 相場においては 枚数を増減させて危険率を下げ

 結果的に利益にもっていく (林輝太郎)

 

☆分割売買以外に道はない

市場に売買の技法というものがあり、

それはいくつかの優れた山になってそびえている。

そのたくさんの山の基本は、すべて分割売買である。

 自分はひとつの山を登りつつあった。

しかし、ほかにも優れた山がいくつもあった。

 

が、いまから他の山に登ろうとは思わない。

 自分の山だってなかなか良いではないか。

 

もし自分が売買をはじめた頃、

 林先生の本を読んでいたらどうなったであろうか。

おそらく、早く基本の方法を知ることができたであろうし、

また基本から積み重ねられたことだろう。

 自分は長い間、間違った売買を行い、山を登れなかった。

 山を登るにはどうしてもふもとからだ。

そのふもとには基本の売買以外に道はない。

 

しかし、知ることと身につけることはまったく違う。

まず出来るようになることだ。知っていてもできなければ役に立たない。

 

 本を読んでひとつの山を知るとどうなるか。

 自分の身につけた売買が正しければ自信がつく。

 正しくなかったら直せばよい。

とにかく山を知り、登っていかなければならない。

 読者のみなさんは、おそらく山を登りかけているでしょう。

 

その道は分割売買以外にはない。

 分割売買でさえあれば、どんな道でも迷うことはなく、踏み外す恐れもない。

しかし、決して平坦ではなく、胸突八丁のつらさもあるし、泣きたくなるようなこともあると思うが、耐えなければならない。

そうすれば必ず上の階段に登れる。

 

 迷いの霧を過ぎれば、明るい太陽と美しい景色がみられるのだ。

 

 (あなたも株のプロになれるp.194

 

 

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林輝太郎先生講演会

2008/11/29() 午後 9:05

 

 『 成功するにはどうしたらよいか 』

 

 

 派手な売買をして一時的に儲けて没落した人は相場が上手とはいえない。

 地味に生活費を稼いできた人が手本。

 

 相場は本音の仕事で、建前は役に立たない。

 

 1.成功の要件

 

 (1)売買技法の向上

 技法とは分割売買で平均値を有利にすること。

しかし一朝一夕にはできないから、腕を上げる努力をすること。

ひとりよがりの努力ではダメで本筋の「筋がいい」といわれるような勉強をすること。

 

 (2)専門を持つ

上手になるには専門を持つこと

相場の専門は非常に狭いものである

225のシンガポールと大阪のサヤ取りを専門にしている人に原油をやらせても、できない。

 (225miniというのがあるけど、あれはやらないほうがいい。人間までminiになっちゃう)

 

 手を広げるとろくなことはない。五目屋はみんな失敗してダメになる。

サヤ取りの人はそれだけをやること。

 

 銘柄を限定する、種類を限定するのがよい。

 60年間平和不動産の売買だけをして10数億円残した先生の友達は見切り千両的売買で場帖とグラフだけを使って儲けている。

 今は枚数は少ないが、昔は10万株程度売買していた。

 

 (3)損得を考えない趣味的要素を排除

 相場は下手だと金がなくなり、自殺しなければならなくなる。

だから、技術力を向上させ、プロの実践家にならなければならない。

 趣味のゴルフのように悪いクセが抜けない、直せないでは、いけない。

 

 株の指数の中で役に立つものは一つもない。そして日経新聞は役に立たない。

 知り合いのプロの相場師で日経を読んでいる人は一人もいない。

 

 2.相場だけは儲けた金で評価できる

10億円が目標。

 1億円になったら後は楽。

 

 3.道具は使いやすいプロの道具を

場帖、玉帖、グラフ(資料)これらを使ってコツコツ地味に稼いでいる人が手本

 

 

 質疑応答

 

 株について

株は1年間下げつづけているが、これから大変な相場になる

10/27の下げで底打ちだと思う。私は買っている。

 今買ってバフェット的に長持ちしたいが⇒大丈夫

 

サブプライムについて

 サブプライム問題で米国は集中的に対応しているので日本のように10年はかからないと思うが、不景気は続く。

 農林中金は巨損発生だが、日本の金融機関は傷は浅く、心配無用。

 

 金をやりたいが

 あらゆる相場の中で為替、金ほど難しいものはない。ファンダメンタルズがないからだ。

 現物を持つ以外、投機売買、利殖には不向きで、やらないほうがいい。

 私は4000円からローリングをはじめ1300円まで続け、相当な利益を出した。

かりに4000円の高値をつけたらサヤすべり取りをやったらいい。

 

 小豆の出来高が少なくなって不安

 斜陽ではあるが心配ない。

 中国は毒あんこで日本に売れなくなって、小豆価格が暴落。今後、中国産小豆は入ってこなくなるから、これから高くなる。

 

 60年の相場人生の中で最大の教訓は?

 一言 「専門を持つ」こと!

 

 

○最も儲けた男の話

 

その男は相場か好きでこの社会に入ったのだが、戦争に行き、復員すると直ちに元の証券会社に戻った。

 

そして30年たった。その証券会社は名前こそ変わってはいるが、100年の歴史をもっている。そして、その男はその100年の中で最も儲けた男といわれ、祝福されて退職した。

 <中略>

その男が復員してきた頃には、戦前の生き残りの「株に一生を賭けた」という年寄りがまだいたのである。

 

そういう荒波をくぐってきた人たちに、懇々と、この街で生き、そして売買で成功するには、キワモノやゲテモノ(流行株や材料株)を追わず、銘柄をしぼれ といわれたのだ。

 

そして定年まで守り通した。だからこそ有終の美をかざれたのである。

 

 問題は銘柄である。

 

 山日鉱(日本鉱業)と同和山(同和鉱業)との二銘柄だけと聞いた。

 

このふたつとも、現在(1986年ごろ)は派手に動いている。

 

しかし、動き始めたのはこの2〜3年のこと。この男が退職するまでは、それこそ動かない株の代表といわれたものだったらしい。

 

それを、100円で買い130円で売りを続けただけなのだ。(林輝太郎著「株式上達セミナー」より)

 

 

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遠藤四郎 の投資哲学

2008/11/26() 午後 5:58

 

 低位の小型株を千株もしくは五千株ずつ静かに仕込んでゆき、大出来高で値上がりした時に売却する。これを繰り返して成功してきた。

 

  株の世界では自分なりの投資哲学を持たなければ生き残れない。

 株は生き残りゲームであり、生き残ることが勝ちにつながる。生き残っていれば、いつか儲けることができるのだ。

  生き残りのためには背伸びをせず、己の分際相応のポジションを守り、長期難平戦術*、分割売買、資金に余裕を持つ等、安全を重視する姿勢が大切。

 

  株は不安との戦いであり「いかに自分との戦いに勝つか」である。

  だから、枕を高くして寝られること、つまり安心して持っていられる自信のある銘柄を選択して所有することが最重要なのである。

 

  そうすることで大量の株数を長期間 所有でき、大きな値幅を得ることにつながる。

  株式投資には忍耐が必要である。売りたい気持ちを抑えて1.5〜2倍で利食いできるチャンスを待つ。

 

  株式投資は株数を増やすゲームである。

  株は資産であり、集中投資で所有し、株数を増やしていくものである。

 株は本来、安全な資産であり、その証拠に年金、生保、損保、銀行がもっとも株を持っている。

 

  大暴落後の誰も手を出さない安い時が株を買うチャンス。底値圏は小動きで値動きは止まっているに等しいから、そういう時に買う。安い時に買い続け、株数を増やしていくことが大切である。

  多くの株数を買うときは、三ヶ月から半年かけて、指値をしてじっくり買いあがる。

そして、3、4年サイクルの経済拡大の波に乗って資産を増やしていく。

 

  いくら大暴落があっても株数だけは絶対に減らない。株数を増やすことにより、値上り効果は極めて大きくなる。

 

 *長期難平戦術とは、難平の時期を半年先、一年先に置き、資金の半分を確保しておくことをいう。

 

○銘柄選択条件

  不人気のあまり売り尽くされ、もう売る人はいないという所まで下げ、

それでいて腐っても鯛という銘柄。

  売り尽くされた銘柄は上昇スピードが早い。そうした銘柄を買えば、枕を高くして寝られ、安心していつまでも所有していられる。

 

  素性がたしかで含み資産があり、将来立ち直る見込みがあり、万が一にも倒産しない銘柄。

 倒産さえしなければ、株価は大きな循環を繰り返すものである。

  優良な不動産資産を持っている、

  安定した収益構造を持っている、

  1年先、2年先に上昇すると確信できる、

  素性がたしかである 等、

しっかりとした裏付のあって値が安い銘柄を買い、信念を持ってじっくり所有する。

  株価の故郷は額面の50円だから、額面に近い銘柄が好ましい。

 

○注意事項

  株式市場は決して自分の都合のいいようには動かないから、暴落に見舞われても大丈夫な余裕資金で株を買う。

  5年物の定期預金は1年物に比べ、それなりの金利を生む。同様に5年物の定期預金のつもりで株を所有すれば、その間に株価は概ね2倍、3倍という動きをするものである。だから、期限の制約がない資金を使えば大概2倍以上で売ることができる。

 

  株の売り時は大出来高の適当なところで売っておく。大量の株数を所有していると、暴落が来た時に売ることができず、下げを眺めているしかない。

  株は勝負の世界である。勝利間違いなしと思われる場合でも、勝負事は往々にして最も大事な天王山で敗れることがある。

 

  勝ちが続くと心に隙が出て、安易にもっと大きく稼げそうな銘柄・方法に飛びついたとき、大失敗しがちである。だから、わからないもの、慣れていないものに手を出さない。

  事業を急拡大した銘柄には注意が必要。

  新興不動産会社、住専、ノンバンク、銀行がそうであった。

  流行株、テーマ株は絶対買わない。

  高値覚えで買わない。

  資産がない銘柄は避ける。

 

  売った後は3ヶ月は休んでから、次の銘柄を買うべきである。お金を休ませることで、はやる心を沈静化することが必要。

 相場の世界は、入ったら破産するまで抜け出すことができない魔力があるから、せめて 休み を取らなければならない。

 (遠藤四郎著『株でゼロから30億円稼いだ私の投資法』より)

 

 

 書評:『株でゼロから30億円稼いだ私の投資法』(渡辺幹夫 2007.07.31

 

  遠藤氏の投資法は、一言で言えば低位株の個別銘柄への集中投資。値上がりしたら売って別の低位株を、また集中買いする。これを繰り返し、所有する株数を増やしていくという方法。徹底的に所有する株数にこだわる。

  銘柄分散は、運用資産1億円を達成する過程においてはしていない。

 少なくとも、個別リスク回避のための「意図した銘柄分散」は行っていない

(ただし、運用資産1億円達成後は、複数銘柄に投資している)。

 

  以下、遠藤氏の運用パフォーマンスを確認するため、著書の前書きを抜粋引用する。

  社会人として、某大手銀行の銀行マンをスタート台にして、今日までおよそ35年が経過した。その間私は、株式投資というものに興味を持ち、サラリーマン、自由業の傍ら、「所有」の意識を重点にして約30年間に渡り、株式の売買を行ってきた。

  その間の株式投資における実績を申し上げると、初めて投資をしたときの投入資金は15万円、ボーナス資金の追加投入など総額で約500万円、これを軍資金として、現在の私の所有株式総数は約1,200万株、純資産30億円である。平成元年バブル景気最盛時、すなわち日経平均38,915円をつけたその翌年には、一時80億円超の時価を記録した。今日その時価総額は約半分弱になっているが、この金額は、私が今天命を知る年齢を過ぎ、今後の人生を20数年と考えると、1年で1億円、1ヵ月に1,000万円使っても、使いきれない金額である。

 

  次に遠藤氏の運用スタイルを確認するため、著書の前書きを抜粋し引用する(一部筆者が加筆)。

1. 現在赤字会社であること、長期投資に徹すること

2. 発行株は少ないほうがよい

3. あくまでも低位株を狙うこと

4. 一株当たりの実質株主資本が時価を上回るものであること

【要はPBR1倍以下】

 

  遠藤氏は、運用資産1,000万円達成後、5年かけて1億円を達成している。それまでの足取りは、以下の通り。

1. 日本化学を20万株80円で買って200円超で売り、1,600万円を4,000万円に(購入後半年、250%)。

2. 住友石炭を25万株160円で買って300円で売り、7,500万円に

(購入後12年、88%)

3. 伊藤万を30万株250円で買い340円で売り、1億円を達成

 (購入後半年、36%)

  このようにして運用資産1億円達成後、昭和56年から57年にかけ、一時的な株価下落から時価1億円を5,000万円に減らす(銘柄はオオトリを50万株、郷鉄工を30万株)その後は3年間持ちこたえた結果、株価は買値の3倍になり売却、資産は3億円に増えた。

 

  同著で説明されている遠藤氏の投資手法は、当コーナーでお勧めしている低位バリュー株投資戦略と重なる部分が多い。逆に大きく異なるところは、以下の4点である。

I. 意図した銘柄分散をしない

II. 株主資本比率を勘案しない

III. 配当を勘案しない

IV. 投資対象を、東証1部に限定しない

(ただし運用資産1,000万円達成後、5年間かけて1億円を達成する過程では、投資対象は東証1部銘柄。その後一時的に運用資産を半減させることになるのは、大証2部銘柄)

  低位バリュー株投資戦略よりも個別リスクを大きく取って「勝負」しているのが特徴である。このようなやり方による成功事例もあるということを紹介させていただく。(渡辺幹夫 2007.07.31

 

 

  相場戦略研究所 http://www.geocities.co.jp/WallStreet/1289/