ボロ株集め(FAI)はやめよう

2008/12/7() 午後 5:07

 

ボロ株集めはやめよう

 

 この投資家は夜遅くまでグラフを描いたり、銘柄の研究をしていた。

 株を買う、上がったら利食いする。そして、また厳選した別の株を買う。

 

すると二十数銘柄の持株が次第に悪化してゆく傾向があるのだ。

どうして そうなるか。

 株を買って騰がれば売却できるが、上がらなかったら持っているのである。

 上がって売却し、利益になったものは、すなわち優良銘柄である。

 

だから、こういうやり方は優良銘柄を手放し、

ボロ株を手持ちに組み入れてゆくことになり、

 遂にはダウが暴騰しても利が乗らない株ばかり持つようになってしまうことになる。

 

 (林輝太郎著 相場金言集p169)

 

 

 

 『 FAI はやめよう

   FAIは何を買っても儲かるような上げ相場の時期にしか機能しない。

 下げ相場で行なえば大きく資産を減らすことになる。これは買いを主体にした、どのような投資法でも同じである。

 

 上げ相場の順調なときでも、一段上げで7万円程度利益が出たものから利食っていくし、損切りの規定もないことから、下手な投資家はどうしても上記のようにボロ株、引かされ玉を集めるようになってしまう。

 本当に上がる株はいったん売ると買い直すことが難しいのは皆さんご存知のとおり。

 

  ある程度の技術を身につけた投資家も、買って騰がるのをひたすら待つFAIを続けると損切り、ツナギ等の相場技法を駆使することが困難だから相場能力は次第に低下し、

ついにはズブシロ同様の買い待ち投資家に成り果てるのである。

 

  FAIにすべてを賭け、一心不乱に月足グラフを千枚描き、FAI30項目のルールにしたがって買銘柄を選定したとしよう。

 

 千枚の月足グラフを毎月更新すれば、毎月「これは!」というルール適合銘柄を発見するのは当然で、常に目移りすることになる。

 

 株式市場は多くの銘柄が同じように動いていくものなので、月足グラフの型は共通点が多く、FAIのサインである6連陰線、5連陽線、十字は出る時には大量発生する。

そうした中から選択するわけだから、月足グラフの枚数が増えるほど迷いは深まるという皮肉な結果に陥ってしまうのである。

 

 千銘柄の月足グラフの中から騰がる銘柄を探すということは、結局、高級な“あて物”にすぎず、当て屋に堕していくことになるのは不可避である。

 

  株式市場の不況期に低位株は選別して上がるといっても、上記のとおり手持ちはボロ株ばかりになるし、買いサインは大量発生するから当てるのは至難の業。

いくつかの銘柄が当っても、最大24銘柄に分散するから、資金効率は良くないし、ツナギを想定していないので下げ相場にはノーガードになる。

  相場で生計を立てるのに最重要なことは資金を守ることであるが、下げ相場でFAIをやっていたら資金を守ることはできない。

 

 後は動いたものに飛び乗るという、ズブシロ的やりかたをするしかない。

でも、これではFAIをやる意味はない。

 

さらに、資金が多い人は大概24銘柄以上買ってしまっているので、何かを処分するか、ルール違反をしなければ買うことはできない。

 

  そして、こういう精神的に苦しい作業を永年続けていくと、人によっては次第に精神的に錯乱し、ノイローゼになるのである。けっして1億円達成の不安だけがノイローゼの原因ではない。

 

では、林投資研究所会報を購読し、FAIクラブが選定した買い銘柄を買っていくというのはどうか。

これは投資レポートの銘柄を買うのと本質的に同じで、「他人を頼るのはダメ」という相場の鉄則を踏み外すことになるので、けっして10億円を達成したS氏のように大成することはない。

 

  しかも現在のFAIクラブはズブシロの集団で月足グラフの下げ波動を読むことができないため時期を待つことができず、下げ相場に買い選定を連発。

 倍加どころが二分の一、三分の一に暴落する、とんでもない”買い銘柄”を選定してきた「お笑い集団」なのである。

こうした買銘柄を信じて買えば、破産は時間の問題だろう。

 「合議制の投資がうまくいった試しはない」と林輝太郎先生の本にあったが、現在のFAIクラブはその典型である。

 

  以前のFAIクラブが先のバブルの時、成功したのは物凄い上げ相場だったからであり、FAI投資法が特別優れていたからではない。この時は、どんな買い方でも合理的な方法でありさえすれば儲かったのである。

 特に、リーダーの林輝太郎先生が天井前に買い選定を停止し、一年半休んでカラ売りを開始。以後2000年ぐらいまで乗り替え乗換えで売り続けた。

 

  結局、リーダーの資質が決定的要因で、優れたリーダーが下げ相場を読み、

 時期を待つことができたから当時のFAI実践者は損を免れた人も多かったのである。

 

  この際、FAIで損をした人はFAIに対する幻想を捨て、「専門を持つ」ことにし、一つの銘柄の波動に集中したほうがよいのではないか。

 大きな上げ相場においはて、すべての銘柄が上昇するから、素性のしっかりした銘柄を選択すれば、FAIと同等の効果を上げることができるし、下げ相場においてもツナギ玉を建てることができるので利益を上げることが可能になる。

 

ただ、FAI30項目のルールは合理的であり、本気でFAIに取組、月足グラフをたくさん描いたことは決して無駄になることはない。その経験を肥やしにして、FAIをやるつもりで一つの銘柄に絞り、軌道修正するのがよいと思う。

 

  どうしてもFAIを続けるならば、FAI第一ルール 「4〜5年下げ、3段下げ完了の銘柄を買う」を忠実に守ること。結論は、あまりにも一般的であるが「時期を待て」ということになる。

 

 

○『大相場は10年毎というが、

これからの大相場に まず乗らなければいけないんだ。

 大相場はね、大相場になってからで間に合うんだよ。

 大相場にあまり早く乗ると途中で降りてしまうんだよ。要注意だな。

いまは見ているだけのほうがいいくらいだと思うよ。

 売買してもごくごく少しだな。』(林輝太郎著 勝者へのルールp251)

 

○そもそも現物株投資というのは「上げ相場」を取るものなのだ。株の値動きには、上げ相場と下げ相場とがある。上げ相場の時期には利益が得られ、下げ相場の時期には損になる。だから、上げ相場のなるべく高い時期に持ち株を売り、下げ相場になったら何もしないのがよいのである。(林 輝太郎の売買上達セミナー 81・連載より

 

○「林レポート」の読み方

 林はいま当っている。当っているから林の予測について行ってよいだろう。

 林の予測が曲がり始めたら林の予測の反対をやらなければならない」という醒めた、冷たい見方、読み方をしなければならない。(小豆相場の基本より)

 

○専門家だから正しい判断をするだろう(当るはずだ)と考えて予想を聞こうとします。その結果はもちろん損になってしまいます。(勝者へのルールp176)

 

FAIクラブの終戦記念日

2008/11/9FAIクラブのホームページをみましたら、11月の例会について林知之さんの下記コメントがありました。

 

 『 ◇経験したことがないほどの乱高下に対して見通しが立てられないという声が多かったのですが、大部分は目先は底打ちでも再び下げる局面があるという意見でした。しかし強気のメンバーもいるなど相場観はかなりばらばらな状態で、きっぱり弱気のメンバーもいました。

◇相場が大きく下げたことを受け、買い銘柄の見直しを行いました。前述した通り見通しが二分する中、形が崩れた銘柄を中心に大幅に除外しました。これからの動きを見て、FAI投資法の基本である長期のトレンドに注目しながら選定作業を行っていきます。

◇ほんとうに荒っぽい動きです。短期で値幅が動くので、そういう動きを想定したやり方をしている人にはチャンスですが、備えがない場合は無理な建玉をしないように注意してください。』(2008/11/08 林知之)

 

うーん、なにを言ってるのかよくわからない・・・・

 しかし、これじゃぁ 救いがねぇなー。

FAIの買い選定を信頼して買い玉をもって、世紀の大暴落に遭遇したFAI実践者の立つ瀬がないというものでしょう。

 

 『先行きどうなるか、FAIクラブとしては まったくわかりませんが、大きく下げてしまった買い銘柄は取り合えず、すべて除外するので、後は皆さん独自の判断で勝手にしてください。』

と言っているに等しいじゃないですか。

 

 FAIクラブは都合が悪くなると買い銘柄をまとめて除外しますが、

その時はもはや手遅れ。投げたら大損でどうしようもありません。

いったい何を根拠に買い選定をしたのでしょうか?

ひよっとしたらFAIクラブのメンバーはズブシロの集まりじゃないですか?

 月足グラフとFAI30項目のルールをしっかり見ているのですか。」

と言いたくなります。

 

ただ、FAIクラブのホームページの掲示板廃止だけは絶妙のタイミングであったことは、間違いないでしょう。

 

 平成20年11月8日はFAIクラブの終戦記念日になったようです。

 

 

○同志へのメール 2007/9/30()

 

9月月間高低表おくります。

  これだけ下げると「勝手にすれば」という感じで、月足グラフの更新もどうでもよくなります。

  ただ、相場暴落に際しては、林輝太郎先生を擁するFAIクラブもまったく無力で頼りになりません。

 一昨年、昨年に選定された買い銘柄は軒並み100円以上暴落するという壊滅状態。

 今回の大下げの最中も上昇相場に変化はないと言い続け、居過ごし状態。

なにやってんだ(笑)

 

でも、これが大雑把なFAI方式の限界なのでしょう。

 

  結局、他人を頼るのはだめという相場の鉄則は、FAI・低位株投資においても厳然と生きていて、FAI買銘柄についても盲信は禁物。参考にするに止めるべきで、最後にたよりになるのは自分の感覚しかありません。そして、その感覚を頼りに、余裕資金を沢山持って、下げるのを待つ。

 

  自分を守るためにも月足グラフを書き続けるのは大切ではないかと思います。

 今月足で、下げ止まりの感じがでるといいですね。

 

 

 

 

☆はじめまして。

 

 私も林輝太郎氏の著作を多く読み(先日のドットコモディティーのセミナーにも行ってきました)、多くのことを学ばせてもらいましたが氏の言っていることの多くと、このFAIというのはどうしても矛盾点が多いように感じます。

 売りをやらないことや損切り規定がないこともそうですし、上昇時期のみに有効な、宝くじよりかははるかにマシ的な投資法にすぎない気がします。

 

まあ私はFAIの実践家ではありませんし余計なお世話かもしれませんが、FAIクラブなるものは林氏の名声を損なうばかりのような気がしますのでもう解散でもいいのではないかという気がします。

 集団というのは知らず知らず徐々に腐っていくものなのでしょうがないのかもしれませんね。

 

2008/12/15() 午後 3:19 [ ビットウィーン ]