相場戦略研究所

 越年玉は持つべからず 


越年玉とは、その名の通り年を越す手持ち玉のことですが、現物でも信用でも、

@長期的な資産運用のための現株 A中、短期のものでは計画的な建玉

―以外は、越年してはいけないというのが売買益で生活していくうえでの鉄則なのです。

ですから、年末には玉をマルにしなければなりません。中、短期のものでも、なるべくなら越年しない方がよいのです。


私としては、本格的な売買で越年するのは初めての経験ですし、越年してはいけないということは知っていましたから、

「マルにしようかな」と思ったのですが、売買があまりにも順調でしたので、ついついいいかげんになってしまったわけです。

小豆三十枚の買い建て、昭和海運三万株、そして建玉のうちには入らないかもしれませんが雑株を少し持って越年してしまいました。


もし、その年の暮れに株も小豆も全部手仕舞いし、暮れから正月にかけて冷却期間を置いて、なおかつ持続すべきだと判断したならば、 一月の大発会に改めて買い直すというのが鉄則です。

それを守っていればよかったと、つくづく思うのです。

手数料を払うとか、大発会が高かったら損をするというのは、ほんとうにつまらないことです。

そんなものは、手仕舞いすれば冷静になれるという 貴重な自己の向上の代償としては、まことに安いものといえるでしょう。

それをケチったために、数ヵ月後には自殺寸前にまで追い込まれる苦しみを味わうハメに陥ったのです。


現物でも信用の建玉でも、十二月末にはできるかぎり手仕舞いすることです。これは一度実行してみれば分かります。

どんなに精神状態が安定するか、それはとうてい口ではいい表せず、ましてや文章では表現できないくらいさわやかで充実したものなのです。


(立花義正著「あなたも株のプロになれる」p.69より)





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