株式での現物サヤ取り

30.10.18

商品の限月間サヤ取り、株式での異銘柄サヤ取りの特徴は「同時出会い」で仕掛け、「同時出会い」で手仕舞いする。

サヤの変動を読み違えれば損になるのは片張りと同じである。

 

そうした難点がないのが、株のコストダウン(株式での現物サヤ取り)である。

株のコストダウンは商品の現物サヤ取りと同じである。

 商品の現物サヤ取りは、例えば 小豆の現物を手持ちして、ベーシスが大きくなった時、

高値の先物をツナギで売っておいて、先物−現物のポジションを持つ。

その後、先物が安値になった時に買い戻して利益を上げる。 安くならなければ、現物を品渡して利益を上げる。

というものである。 「同時出会いサヤ取り」に対して「時期をずらしたサヤ取り」と言えよう。

 

 商品の現物を手持ちすると、金利、倉庫料、品痛みなどのコスト負担があるが、株式は逆に配当金を受け取りながら、株券を何年でも手持ちできる。

 

 配当金を受け取りながら儲かるので心理的負担が少ない。

 銘柄選択が適切なら、商品の現物サヤ取りに比べて圧倒的に有利である。

 

 株式の場合は、信用売り−現株のポジションとなる。 現株のコストが時価より安ければ、絶対損しない。

 

株式での現物サヤ取りで生活するには最低でも3千万円の資金が必要だろう。

しかし、この程度の元手で生活できる有利な事業は他にない。

 

☆株コストダウンの特徴

@ローリスク・ハイリターン ⇒ 安全で利益を得やすい事業である

A心理的負担が少ない ⇒ 自分が定めたコストダウンの型に従い、確実な利益を積み重ねていく売買

B過大な周辺知識や努力が不要 ⇒ 必要なのは辛抱する意志の強さと実行力

C理論的 ⇒ 冷静に人気と逆のツナギ売買によって「実利」を取る知的な仕事である

D資金を限定できる* ⇒ 株の購入費用のみに資金を固定して安全な取引が可能(追証発生は絶対ない)

 

*資金を限定できる
小豆相場のプロ 立川さんは3千万円の資金を商品会社に預けていて、枚数を限定した時期を待つ売買で安定的に稼いでいた。そして儲けた利益金を小まめに引き出して資金を3千万円に固定していたのだ。(研究部会報99.9 p77より)

 株のコストダウンでは株の購入費用のみに資金を固定することで立川さん的資金管理が簡単に実行できる。

☆結局、現物サヤ取り、両外しサヤ取り、ローリング、コストダウン等、リスクを限定するツナギ売りを利用するやり方は

ツナギ売買の一種である。 計画的なツナギ売買によって「確実な利益を積み重ねる」という相場師の夢が実現する。

 

 

相場戦略研究所 URL http://wedscafe.jounin.jp/