相場哲学 鏑木繁 相場の張り方
取ったり取られたり朝から晩まで相場にかじりついている人は多い。
情報の交換、相場の強弱意見。ご本人はこれが相場人生だと思っている。
買った負けたで一喜一憂。当った曲がったで喜怒哀楽の人生である。 p4
お金儲けが目的なら、一生楽して暮らせるほどのお金を相場で儲けながら、
さらに建玉を大きくして元も子もパーにして足を出すということにはなるまい。
巨額の利益を挙げながら、相場がやめられないで終局は元の木阿弥というコースは、欲の問題ではなく相場中毒症状である。
相場中毒症状は相場以外に人生が面白くない。
大儲けした後の曲がりは、自分の才能を信じているから損の金額が加速度的に大きくなっていく。 p54
運が良かったから儲かったのだ と謙虚であれば、自分の力を過信せず相場の流れに逆らうこともなく身が保てるはずである。 p55
相場の筋書きは同じ筋書きの悲喜劇の繰り返しである。 p191
持ちなれない大金を懐にしたら、衣食住が急変化。最も手っとり早いのが車であろう。
ベンツを買ってトッテンシャン という実例は余りにも多く見かける。 p56
経験20年、30年の実績を評価するとしたら、盛者必衰原理の徹底している相場世界で生きながらえていることだろう。
そこには哲学があると思う。満玉張らない、証拠金の1/4しか建玉しない、追証は入れない、等。
要するに相場の張り方とは、相場界に生き残ってチャンスを掴む方法である。 p63
短い当りの周期が過ぎると、長い冬のような曲がりの周期がくる。冬の時代を辛抱して春を待つ。
相場師の寿命は曲がりの冬を越せる資力と気力があるかどうかである。 p117
相場道とは 見切り千両、満玉張るな を、実行できるようになる修業である。 p101
立って半畳、寝て一畳、天下取っても二合半。 p103
思いありて思いなし 無心のうちの反射 p109
資金一杯建玉がひろがっている時に逆波を食らえば、単なる相場のアヤで転覆する。 p121
商法のコツは自分が冷静な時に確り思い極めておき、相場動向や人気に左右されず、
冷静な時に決めたところで欲を出さずに売りさばく。(平沼専蔵) p131
相場法(養老法)
和易 心を和らげる
自然 相場に逆らわず流れに乗っていく
道遙 欲を出さず境遇に満足してゆったり暮らす
流動 強弱に凝り固まらず変化自在 p160