相場哲学 鏑木繁 相場のプロ
相場が命懸けの人は相場で飯を食っているから遊び(ゲーム)ではない。
彼等の相場は閃き、確率である。 だから、まるで坊主のように私生活はストイックである。
瞑想の時間を大事にし、瞑想世界の天の声に感応する。p142g
瞑想は気を絞る手段であり、一点に絞られた気は天地自然の気に通じ、宇宙の気を映す。
そこに閃が生ずる。閃は勘であり宇宙からの通信である。
瞑想は気を取り直す方法でもある。p249g
成功した相場師はある種の予知能力を持っている。そうした相場師が予知能力を維持し
人生破滅から逃れるには、ストイックで物欲社会の虜にならない強靭な精神生活を維持しなければならない。
即ち『唯我知足』の4文字が必要なのである。p4
相場師は静かな生活をすべきである p38n
相場道は人生道。人生がうまく行かない人は相場で成功しないn
頼りになるのは自分だけで、主敵になるのも自分である。 p289g
我れ人に勝つ道は知らず、我れに勝つ道を知りたり p96n
相場の名人は、相場の流れについて行き、頭打ちになったら身を引くものである。p154
相場の秘伝はひたすら無心に相場についていくだけ。相場に逆らわない=自分の相場観を持たない=身軽に変身する。P142
相場のプロは"どこで逃げるか"だけを考えているものである。 プロは熱くはならずに醒めていく。p92
玄人は「いかに生き延びるか」の技術を身につけているから、なんとか生き残っている。 p180n
用心深い相場師は相場で悪い線が出たら、素直に対処するn
玄人相場師は危ないところを買っても、相場に対して常に半身で構えて神経を尖らせているから、
失敗しても感づいて対処する。相場師的才覚がない人は「あわれ地獄の道連れ」「相場の露」になる。p16
相場師は狂人的芸術家で、既存の価値、制度、慣習は無視する。まともな思考の持ち主では相場で成功しない。p19
勝負の世界でプロが負けてばかりいては生活ができない。
闘って得た金を維持するには器量が必要で、それは 忍である。忍とは己を知ることであり、天を畏れるということである。
攻める姿勢ではなく、守りを固める 時を待つ 相手の動きを見つめる 心構え。 p181
相場=喜怒哀楽のうつろい事で飯を食っている人は、飯の食い方を知っている。 p95
得たものを守ろうとする心情は儲けようとする思いより強いから、攻めながら守ろうとすると失敗する。
攻めなら攻め、守りなら守りで一貫したほうがいい。 p49
プロ相場師でも、魔がさすと、すってんてんになる。 p7
プロ相場師は勝利するために徹底的な自己管理の世界にいる。
相場の人気は、高いと買いたい。安いと売りたい。持ち合うと判らない。
相場は、この人気の裏を縫っていくから、大衆は高値掴み、安値売り込みになる。
待つは仁。待つためには体力、資金、精神的我慢、読みが必要になる。 p126
相場の世界ではツキ、ツカぬがあって一定期間、表面に出てくる。
条件が揃って大きく儲かったということは人生に何回か訪れるツキによるものである。
このツキは非常に気まぐれで、ふいにどこかに飛んでゆく。
だから自分のツキを浪費せず大切にすべきである。 p130
相場の世界では四斗樽一杯の才能よりも盃一杯の幸運が勝る。p143
今の自分にツキがあるのかどうかは誰にでも判る。 p161
衰運期でも悲観絶望しなければ循環の法則で盛運期がくる。 p177
相場は常に修羅場で板子一枚下は地獄。
だから、相場の世界は20年、30年この道一本で来ても安心立命の卒業はない。p215g
経験20年、30年の実績を評価するとしたら、盛者必衰原理の徹底している相場世界で生きながらえていることだろう。
そこには哲学があると思う。満玉張らない、証拠金の1/4しか建玉しない、追証は入れない、等。
要するに相場の張り方とは、相場界に生き残ってチャンスを掴む方法である。 p63
短い当りの周期が過ぎると、長い冬のような曲がりの周期がくる。冬の時代を辛抱して春を待つ。
相場師の寿命は曲がりの冬を越せる資力と気力があるかどうかである。 p117
プロ相場師に凄みは無用 p43n
無事これ名馬。怪我をしたらおしまい。n
足るを知る者は富む 相場に逆らうこと勿れ (川村佐助) p127
相場というものは、人様の金を取るものだから、足るを知らなければ有終の美を飾れない。p261
お金は必要なところに必要なだけ入るものである。 p281
相場道とは 見切り千両、満玉張るな を、実行できるようになる修業である。 p101
相場は、入る時期(場所)、出る時期(場所)、を事前に決めておき、
それを実行することにより、利益を確実に手にするものである。p27
相場は一年に一度しか大きく取るチャンスはない。だから、判りにくいところは休んでいるに限る。p17
相場の仕掛け時は、内部要因で人気の片寄りが究極的に大きくなった時である。
そうした戦機を待てば、百戦して危うからず。p13
相場が賑わっているときでも、80%の安全性が確信できるまで傍観している。
相場の転換点には安全性80%の世界が一時的に出現する。(是川銀蔵) p148
お金持ちは市場に閑古鳥が鳴いて、相場が凍てつくような安値に凍えたころから、ゆっくり買い出動する。
大衆のポケットに一文の金もなくなった頃、お金持ちはゆっくり出てきて大きな獲物をしとめるものである。 p99
「満玉張るな」「見切り千両」等、相場戒律は自らを守るためにある。p5
お金の帳尻にゆとりがあるうちは相場がよく見えるから相場の見切りが見事にできる。p286
玄人相場師が小さい玉で小さく損しているのは、相場の味を見ているのである。p21
財産をつくるには月足単位で相場を見ていくしかない。 p118n
満玉張るな 人様には満玉張ってもらって、自分様は厳に戒律を守る p144n
人生の満玉は天の恐ろしさを忘れ、謙虚さを失うことn
相場はのべつ幕なし張るな p36n
『利食い後は休め』 は相場の基本・常識 p49n
待つ は仁。 待つ ことは自信である p15n
待つ ことにリスクはない。 p139k
相場とは 『待つ』 ことと見つけたり。 p139k
一年に一回、相場を張ればよいn
休み は相場の秘法 p64n
休み は相場から心を離して第三者的に相場を見る時間を持つことであるn
年中、商内すると儲からない。折々手仕舞って休むことが第一である p77n
平人は時を待たずに動こうとするn
秘伝 「気を転ずべし」「休むべし」 p117n
自分の力だけしか相場は見えない p33n