立花義正の売買技法

2008/12/2() 午後 1:11

 

 30年間の売買で得た結論

・自分なりの売買をしてゆく

 ・分割売買をする

 ・ゼロをつくる ⇒ 売買に区切りをつける 不利な玉を切る

 

☆ 上げ下げのリズムに乗って、分割売買で平均値を有利にする。

リズムに乗る分割売買が相場技法の基礎であり、

そうした分割売買で、平均値を有利にして不利から逃れることにエネルギーを集中するのが相場のコツある。p34

 

☆ 相場において、利益と損失は交互に発生する。p264

だから、利益の後は休むのがよいし、

 休まないのであれば、

 「儲かったから、玉を増やそう」ではなく、

 「儲かったが、次は損になるかもしれないから、前と同じ玉数で挑もう」

と考え、一定の建玉法で臨むべきである。

 

 売買益で生活している者にとっては、売買技法こそ生活の源泉である。

 生活費を作るために、大きな波を取る人もいれば、小さなリズムを取る人もいる。

 売買技法は人それぞれである。

 

☆売買の上達とは

売買の上達とは「自分が取れるところ」がわかってくることである。

そうなれば「取り方」がわかってくる。

 

 満足できる売買をするためには、「体調をよく」し「生活のリズムを乱さない」ことが大切である。p329

 

☆根の玉の維持

 根の玉とは、十分に値幅を取る 基本の玉のことであり、下げ相場に乗ったのは一万株程度であるが、

戻りでは三万株増加させて、上手に泳いだ。

 

そのやり方は、戻りの新値を不等分割で売り⇒安値で手仕舞い、を繰り返すが、根の玉は維持していく。p260

 

○脱アマ相場師列伝 専門を持つ

 プロには専門がある。専門をつくらなければプロの資格はない。

  商品相場で利益を上げている人は自分の専門に売買する銘柄が決まってくる。

専門がなければ取れないことがわかってくるからだ。

 情熱を燃やせる、損を利益に逆転できるような”得意銘柄”を創らなければ勝利を物にすることはできない。

 

  専門をつくることは“強くなること” だ。

 

 専門を持つ(=銘柄をしぼる)

  腕が未熟では儲からない。相場は腕で取るものだ。

利益を上げるには「当てよう、当てよう」という当て屋から脱皮しなければならないのに、大概は一生当て屋のままで終ってしまう。

  だから、専門の銘柄をつくる決心をし、当てようとする気持ちを売買に上達しようという熱意に変換して、一つの銘柄に本気で取り組むべきだ。

 「専門の銘柄」を選んだ動機は意外に単純だし、それでよい。

目移りしたらきりがないから、選んだ株に全力を尽くす。

 

リズムだけを追う

 成功した気のゆるみから小豆の高値で大きな団子の玉を作り追証、利益金で買った株も下げたうえ、小豆の玉を強制的に切られて大損。

自殺寸前に追い込まれた。

  その後の再出発では小豆を専門にし、値動きのリズムだけを追っていく、いちばん簡単なやり方をやって立ち直った。

 小豆の動きは株より手が決まっている。手が決まっているとは、動きにリズムがあることだ。

 

 酒田新値の本数の数え方で、一本目が小さいときは二本目から。

 一本目が大きければ一本目から、ついた翌日の寄付きを成行で注文する。

 保合の中での分割買いは陰線引けの翌日

 

  自分の相場観(儲けたいという欲望)を殺して定石のサルマネをして一貫した売買法を身につける必要がある。

それが身について利益が安定し、気持ちにゆとりが出ると、押しを待って効果的な手ごたえのある「乗せ」ができるようになる。

 日本電気を専門に売買し、生活源とすることで株の売買で生活していけるという確信をもつことができた。

 「自分の専門をつくることは強い」

 

 *専門= ある一つのことだけに専念すること。 一つのことだけに関心を向けること。

 

○あなたも株のプロになれる 自分の型を持つ

 これから売買で生活していこうと思っている人へ

『 自分なりの基準、型 』

  自分なりの売買をしてゆく(自分にあった型を基準にして売買する)ことは、

なんとも説明できないほどの安心感があり、精神の安定を得ることができる。 2 3 5

  だから向上意欲を持ち、自分の専門の銘柄をつくると同時に 自分の型 をつくること。

 売買で上達すると「自分で取れるところ」「取れる利益の限界」がわかってくる。p329

 

  売買にはリスクがつきものだから、まず安全を考える消極的な姿勢を持ち続ける。

  明日以降の相場はどのような展開になるか“わからない”から、

 自分なりの基準、型を持つことで、状況が悪化しても気持ちにゆとりを持って対応できるようにすべきである。

 自分なりの基準、型を持つことは悪手を打つことを防ぎ、損失を最小限に抑える危機管理でもある。

 

  相場において、利益と損失は交互に発生する。p264

 

 「自分なりの売買」を具体的に言えば 

 玉の増加の速度 

 区切りのつけ方を自分の手に合うようにすることだ。p320

 

 建玉法( 型 ・ 定石 )=2.3.5.5.5

 

 売買上達のコツは技術の習得

  当て屋から脱皮するには、分割売買に移行する必要がある。

 単発で騰がる銘柄を狙うことから、銘柄を限定し、自分なりに売買の出発点を定め、

 仕掛け⇒ナンピン⇒手仕舞いと云う工程を経ることで、売買の上達に道が開ける。

 上達とは売買技術を習得することで、繰り返しの練習売買によって自分で掴むものである。p241

 

 苦労して掴んだ相場のコツ

 ・自分なりの売買をしてゆく(自分にあった型を基準にして売買する) 

・○をつくる(区切りをつける。不利な玉を切る)

・分割売買をする

 

売買技法の基本(定石)

 片玉二分の一   (資金管理)

 雑音無視     (情報管理)

 5%逆行注意   (行動基準)

 

ナンピン三分の一 、乗せは三分の一 、

ツナギは三分の一 (逆売りは三分の一)

 

ツナギはコストダウンの最良の方法かもしれないが、自分は本玉維持の(精神の安定の)ためにやっている。

 

 分割売買は売買技法の基本である

押し目の探り方、平均値の取り方は売買法の基礎

 売買とは自分をだましだまし値動きに合わせていくもの。

 

リズムに乗る分割の技術が売買技法の基礎(リズムを追え、それ以外は考えるな)

 

  逆向かいの実行方法 (押し、突っ込みで買い、戻り、吹き値を売る)

 買い=下げの2日目から買い下がり始める。3日目も安ければ買い。戻ったら一旦 売り。

 売り=戻りの2日目から売り上がり始める。3日目も高ければ売り。押したら一旦 買い。

 

 典型的な戻りは「上げとは言えないような陽線2本から3本の戻り」である。

 

 材料を忘れる=材料を映して相場が動けば、相場が後付けになっているわけだから、逆向かいする。p46

 

 保ち合いの中の分割売買は差をつけるほど有利である

保合の中での分割買いは陰線引けの翌日

 

 細かい値動きを気にしていると大きな流れを見失う。p136

 

 通い相場では日足グラフにより陰陽新値の出現率をたよりに

「この辺が戻りの売り場かもしれない」と判断する。

 

チャンスはそうあるものではない。チャンスの到来を待つのは辛いが、待ってこそ勝利の喜びを得られる

 

対象物の研究がいくら精密になっても技法を除外してはすべて無駄である

 

○現株を保有する

 パイオニアは、ソニーの現株を保有した経験を生かして、はじめは現株を持つことにした。

成長期の品薄株は政策的、人為的なクセのある動きをするから、現株をある期間寝かせる投資法でないと取れない。

 

○精神の安定と努力(P.297株のプロ)

 3手 5手 7手のリズムは日数としては、その間に日曜や祝日が入るため

上旬 中旬 下旬 と 10日周期の動きとなる。

また、1ヶ月を前半と後半に分けるような動きになることがある。

 

  それに対する実行者側についても好不調のリズムがある。

 我々は精神の安定と努力によって、失敗したときの谷間をより浅くして立ち直りを早くするとともに、

好調のときの山をより高くするようにし、少しでも長く持続させるように心がけるべきなのだ。

 

  相場をしているかぎり失敗を避けることはできない。

その失敗を最小限に食い止めるための一つは「迷ったときでもいったん決めた予定は変更しない」ことである。

 

 悪手を打った場合は短くても二ヶ月は苦しい思いをしないと立ち直ることができない。

 

 関連メモ

 ・人は精神的起伏のリズムがあり、一度悪手を打つと精神的リズムに偏重をきたし、精神的動揺によって、さらに悪手を打つ。

 

 本間宗久の「不利運のとき4、50日休むべし」、立花さんの経験はそれを裏付ける

 

 ・元気で冷静な人と精神的に消耗し動揺している人が相場で戦えば、元気な人が勝つに決まっている。

 

 相場においては 枚数を増減させて危険率を下げ 結果的に利益にもっていく (林輝太郎)

 

 

☆分割売買以外に道はない

 

市場に売買の技法というものがあり、

それはいくつかの優れた山になってそびえている。

そのたくさんの山の基本は、すべて分割売買である。

 自分はひとつの山を登りつつあった。

しかし、ほかにも優れた山がいくつもあった。

 

が、いまから他の山に登ろうとは思わない。

 自分の山だってなかなか良いではないか。

 

もし自分が売買をはじめた頃、

 林先生の本を読んでいたらどうなったであろうか。

おそらく、早く基本の方法を知ることができたであろうし、

また基本から積み重ねられたことだろう。

 自分は長い間、間違った売買を行い、山を登れなかった。

 山を登るにはどうしてもふもとからだ。

そのふもとには基本の売買以外に道はない。

 

しかし、知ることと身につけることはまったく違う。

まず出来るようになることだ。知っていてもできなければ役に立たない。

 

 本を読んでひとつの山を知るとどうなるか。

 自分の身につけた売買が正しければ自信がつく。

 正しくなかったら直せばよい。

とにかく山を知り、登っていかなければならない。

 読者のみなさんは、おそらく山を登りかけているでしょう。

 

その道は分割売買以外にはない。

 分割売買でさえあれば、どんな道でも迷うことはなく、踏み外す恐れもない。

しかし、決して平坦ではなく、胸突八丁のつらさもあるし、泣きたくなるようなこともあると思うが、耐えなければならない。

そうすれば必ず上の階段に登れる。

 

 迷いの霧を過ぎれば、明るい太陽と美しい景色がみられるのだ。

 

 (あなたも株のプロになれるp.194

 

 

相場戦略研究所 URL http://wedscafe.jounin.jp/