相場金言集

2010/11/12() 午後 5:42

 

☆相場師の夢はツナギによって実現する

 ツナギは相場師にとって唯一の安全弁であり、成功の鍵である。153

ツナギは計画を建てて行うのがよい。

 計画的ツナギによって、確実な利益を積み重ねるという相場師の夢が実現する。156

ツナギは相場師の不安と緊張を緩和する。

 5%逆行はツナギ開始のサイン。16

 

☆相場師に味方はいない

 相場師に味方はいない。いつも緊張しているから、不安感は増幅される。

 不安は相場をしている限り誰にでもある。その不安から自分だけ逃れようとしても無駄である。162

  利食いを重ねることで不安は緩和され勇気が湧いてくる。

 利食いは相場師の唯一の味方であり、それを「利食い千人力」という。

 

 相場の騰落要因は常に不明である。

だから、相場の騰落原因を追求しても無駄である。166

 

 相場は常に未来を見て動いている。167

  万人が明日のことはわからない。

 明日を築くには勇気と努力と信念が必要である。

 

 予想することは単に過去を振り返っているだけのことが多い。

 現在は過去を含んでいる。相場において現在は、もはや過去にすぎない。

 上げ相場の初期には確証、事実が少ないから、それを実証できない。

 

 雑音無視 14

コンピュータの情報は 敵 である。172

 情報を得ることで、かえって手探りで進んでいる相場の先行きに大きな不安を感じることになる。162

 

☆相場は事業

  相場は危険を伴った事業である。207

だから、相場を仕事とするには自分なりの“やり方”相場技法を身につける必要がある。

 自分なりの相場技法を持つことは、相場という危険な仕事をしながら、損失を最小限に止めることにつながる。

 

 相場は他の事業とかわらないが、相場で大損して自殺しても

「馬鹿な奴だ。真面目に仕事をしていればいいものを」

と笑われるだけである。119

 

 相場においても設備資金と運転資金が必要である。

 

☆相場の張り方

  相場は、専門の 自分に出来る 得意なこと をやっていても、

 失敗するものである。

だから、背伸びしたり、十分出来ないことをやってはいけない。202

 

 自分の資力、能力にあった建玉を積み重ね、

 自分が身につけた相場技法だけを活用しながら進んでゆくのが、

 相場の秘伝である。62

 身につけた技術を正しく使えば相応の利益は確保できる。33

 

プロはやさしい銘柄をやさしいやり方で取る。

 (銘柄を限定し、ワリを考えて、やさしく取る)

 一回の利益はたいしたことはないが、回数が多いから高い利益率になる。52

そうやって「勝ちぐせをつける」と同時に「利食い千人力」を実行している。

 

 売買は資金量に応じ、計画性をもってこそ意味がある。104

 相場を仕掛ける時は、必要とする資金、動員できる資金を計算して限界を決める。

 相場の動きを見ながらどのように玉を動かすべきか考える。

 不測の事態が起きた時の対処方法を想定し、処理の方法を決めておく。

 60

 激しい値動きを見ると、あせり と群集心理に巻き込まれて失敗する。

だから冷静な時に判断し、計画を立てて売買するべきである。92

 相場には、自分の相場技術を駆使する冷静さが必要である。37

 

 相場は見込みの適不中如何に拘らず、商内の方法だによろしきを得ば、

 必ず利益を博するを得べし。77

 変物たるものをして、誰かその未来を知る者あらんや。

 只其一心を定めて、推して行うのみなり。

その中否は又 知るべからず。78

 

 相場を張ることは技術仕事であり、世の中の芸事と同じである。60

 

☆相場技法

  「分割売買」と「時期を待つ」という相場技法を用い、波動を利用して

利益を生み出すことが出来なければ相場師の資格はない。25

 

 相場技法とは、予知不可能な相場の騰落に対して、建玉の増減により損失を少なくとどめ、利益を多くすることである。88

 

 人間は欲に弱いから、相場の値動きにつられた無計画な乗せをしがちである。110

 売込まれた所は買い拾い、人気で買われ噴いた所は冷静に売る。93

 

 押目買いは一日目は見送り、二日目の安値を試しに買い、

 翌日 戻れば見送り、下げれば買って平均値を下げる。100

 

 難平は 一 三 五 の比率有効なるべし。そして資金の半分は温存すべし。101

 

 分相応に目出しに少し仕掛くべし、

 値をならしても違うならば、誤って 見切り 仕舞うべし。98

 

 投機の危険を避けようとすれば、分割売買により投機の小出しを行うことになる。101

 

 高値先行を買い、安値先行を売れ。110

 

 鈴木隆さんの方法は、大底形成の後半までは、

 毎節、値にかまわず買って次第に玉を増やしていくが、最高でも一節で10枚。

 底打ちしてからは、毎日2、3枚しか買わない。

だから、乗せても平均値が上がらない。110

 

 強気で、常に買玉をいくばくか持って、ジクザクの相場を泳ぐには、噴いたら売り、押したらナンピン買いを繰り返す。132

 利益になった玉を天井まで維持したいが、一本調子の上げは続かず、下げそうな様相をみせながら上がっていく。だから、途中でツナギ玉を入れながら進むべきである。134

 

 片玉2分の1 雑音無視 5%逆行注意 13

 

 相場道の極意は手仕舞いにあり 150

 

 結果良好は僥倖で、単に運が良かっただけである。30

 

あらゆる技術には、常識に反した「コツ」・「原則」がある。12

 

☆罫線

  罫線観測の根本的考え方は、

 上昇に転じた相場は上昇を続け、下落に転じた相場は下落を続ける。

ということで、「波動と周期をみていく」ことに尽きる。 129

 

 相場人は過去の罫線を参考にしがちである。だから知らないうちに後ろ向きの姿勢になりやすい。

 相場を張るということは常に新しい未経験の領域に進んでゆくことだから、過去の相場は参考にしても、過去に溺れてはならない。

それは負けに繋がる。

 

☆時期の選択

  時期の選択は銘柄選択よりも大切である。

 相場には季節的変動があり、それぞれの時期によって相場つきは異なる。190

 冬は買い、夏は売り

 

☆ 欲

  相場の目的は金であり、

 金は無限に持てる可能性があり、人間の欲には限りがないから、

その欲で無理な相場の張り方をして破滅する。33

 相場師の最大の敵は自分である。92

 相場における悪魔は自分の欲である。118

 

☆ボロ株集めはやめよう

 この投資家は夜遅くまでグラフを描いたり、銘柄の研究をしていた。

 株を買う、上がったら利食いする。そして、また厳選した別の株を買う。

  すると二十数銘柄の持株が次第に悪化してゆく傾向があるのだ。

どうして そうなるか。

 株を買って騰がれば売却できるが、上がらなかったら持っているのである。

 上がって売却し、利益になったものは、すなわち優良銘柄である。

  だから、こういうやり方は優良銘柄を手放し、

ボロ株を手持ちに組み入れてゆくことになり、

 遂にはダウが暴騰しても利が乗らない株ばかり持つようになってしまうことになる。169

  悪い銘柄は良い銘柄を駆逐する。悪い建玉は良い建玉を追放する。177

 

 

 (林輝太郎著 相場金言集より ただし、林輝太郎先生の主張と異なる管理人の解釈を含んでいる部分がある)

 

 林輝太郎先生の『相場金言集』は18年前に買った。

 自分にとって、この本は相場のバイブルのひとつであり、相当な回数読んでいる。

 乾繭のサヤすべり取りの秘法の話にはずいぶんと勇気づけられた。

 相場選集で買い直したのを機会に最近、また読み直しているところである。林輝太郎先生の相場哲学が随所にちりばめられた名著である。

 

 唯一、気に入らない点は、木佐森吉太郎の「株式罫線の見方、使い方」を名著といって多く引用していることである。

 「株式罫線の見方、使い方」は、技術面の記載が全くない「抽象的で無責任な相場の見方を教えた本(p11)」の一つであり、罫線の見方、使い方を学び、相場に応用しようという者には何の役にも立たない愚書だった。

 

 相場を志した80年代後半、相当な期待をもって買ったものの、強く失望して破棄した。その悔しさを今でも憶えている。

その後、林輝太郎先生の『酒田罫線法』という本物の名著に出会い、狂喜。

 技術的に、飛躍することができたのであった。

 

相場戦略研究所 URL http://wedscafe.jounin.jp/